【ホープフルS】実力のパンサラッサ 道悪で本領発揮

[ 2019年12月25日 05:30 ]

坂路でキャンター調整するパンサラッサ
Photo By 提供写真

 【G1ドキュメント・栗東=24日】馬房数の多いトップ厩舎は本来の厩舎とは別の場所に「離れ」というものを持つ。30馬房を有する矢作厩舎にも離れがあり、有馬記念を勝ったリスグラシューもそこにいた。月曜日にのぞくと名前の張られたプレートはあるものの、馬はいなかった。火曜日はナイトバナレットに替わっていた。時は流れていく…。小林は感傷に浸っていた。

 ホープフルSに出走するパンサラッサはリスグラシューから2つ隣の馬房にいる。この日は開門直後の坂路を駆け上がった。前々走は2着に2秒5差をつける圧勝。担当の玉井助手に振り返ってもらった。

 「勝った時はビックリしました。道悪の適性があったんでしょうね。切れるタイプではないですし、前に行って粘る形が理想かな。やっぱり馬場は荒れてくれた方がいいと思います」

 台風19号の接近で京都の開催が危ぶまれた日、雨の不良馬場で勝った。直線だけで大差をつけた。前走は良馬場の決め手勝負となり6着。少し時計のかかる、開催最終週の中山は舞台としては悪くない。

 「普段はやんちゃですけど、キャンターに行くとムキになることもない。普段は扱いやすいですね」

 矢作厩舎の大差勝ちと言えば、13年8月積丹特別で2秒8差つけて勝ったバンデが浮かんだ。この馬はそのレースをステップボードにして、その後菊花賞3着、阪神大賞典3着と一線級で結果を出した。パンサラッサも粘り腰を発揮しないか。同厩舎の2頭出しは人気薄。小林は語り継がれた競馬格言を、ふと思い出した。

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2019年12月25日のニュース