【フェブラリーS】菜七子騎乗にDr.コパ氏大満足 米遠征も検討

[ 2019年2月18日 05:30 ]

フェブラリーSのレース後、オーナーのDr.コパ氏と握手する藤田(撮影・郡司 修)
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 フェブラリーSでJRA女性騎手初のG1騎乗を達成した藤田菜七子のコパノキッキングは5着。初制覇の快挙はならなかったが、オーナーのDr.コパこと小林祥晃氏(71)は大満足の表情で健闘を称えた。今後も菜七子とキッキングのコンビ継続を明言。秋には米国遠征も検討しており、壮大なプランで菜七子を後押しすることを約束した。 レース結果

 「すみませんでした」。レース後の検量を終え、いち早くコパ氏の元へ駆け寄った菜七子をコパ氏は満面の笑みで迎えた。「本当にうまく乗ってくれた。良かったよ。ありがとう」。菜七子の小さな手を握り締め、ねぎらいの言葉をかけた。

 ネクタイ、マフラー、ポケットチーフを枠色と同じオレンジ色でそろえたコパ氏。パドックで菜七子に清めの塩をかけ、2つのプランを授けた。「馬群に入れて折り合いを重視するか、馬のいない所で伸び伸びと走らせるか。いずれにせよ最初の400メートルは淡々と走って、千二の競馬をしよう」。菜七子は後者を選択。馬群から離れ最後方を追走。大外を回って直線勝負に懸けた。「彼女は距離には自信があったんだろう。でなければあんな乗り方はできない。僕らは距離を心配していたが、何の問題もなかった。彼女のアイデアが正しかった。あと100メートルあったらね」。コパ氏は理想を超える、肝の据わった乗り方を称賛した。

 レース前は競馬場近くの大国魂神社で必勝祈願。パワーフードだった豆腐と刺し身も口にして大一番に臨んだ。快挙はならなかったが大健闘の5着。「初めてのG1で掲示板に載って、お客さんもこんなに盛り上がった。次も頼むよ」。コパ氏はそうまくし立て、菜七子とキッキングのコンビ継続を明言した。

 秋には米G1ブリーダーズC参戦のプランもある。「菜七子でアメリカ。そうなったらいいね。もっと盛り上がる。距離が持つことも分かったからね」。今後の結果次第では1200メートルのBCスプリントだけでなく、1600メートルのBCマイルも選択肢に入る。菜七子と自身の夢を重ね、今後も全力でサポートすることを約束した。

 騎手として、大きな財産を手に入れた菜七子。温かく見守るコパ氏は最後にこう締めくくった。「明るくて礼儀正しくて、みんなが応援したくなるジョッキー。これが第一歩。これで自信をつけてくれれば。僕も菜七子もファンも、みんなもっと楽しんで盛り上げていこう」。菜七子にとっても忘れられない一日となった。夢は始まったばかりだ。

 ▼村山師(コパノキッキングを管理)馬は絶好調だった。菜七子にはパドックでいつも通り乗ってくれと話したが、その通りに乗ってくれた。

 ▼古内一絵さん(菜七子を予言した?小説を執筆)応援馬券を買って直線は叫んじゃいました。小説(風の向こうへ駆け抜けろ、蒼のファンファーレ)の主人公・瑞穂は最初のG1で14着だったので菜七子騎手の5着は凄いと思います。最大の功績は女性騎手全体に光が当たっていること。菜七子騎手の頑張りで地方で頑張っている女性にもスポットが当たるようになってきた。それは後輩騎手にも言えることだし、これから女性騎手がG1に乗ることが当たり前になる時代が来ると思います。

 ▼けやき台中学校・石井良秋校長(菜七子の出身校)菜七子騎手を応援したくて若い時以来、久しぶりに競馬場に来ました。結果はどうであれ、素晴らしいレースだったと思います。職員室でも凄く話題になっていたし、生徒たちは先輩が夢をかなえる姿を見て、何かを感じ取ってほしい。

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