【オールカマー】“夢の旅路”へ広げるツバサ　加速力光った

　【東西ドキュメント・美浦＝１８日】誰もいない坂路コースで芦毛馬が明るい未来へ翼を広げた。羽が生えたかのような加速力。オールカマーで半年ぶりに復帰するミライヘノツバサの全休日調教。その走りを伊藤大師は満足そうに見届けた。「（前肢の）脚部不安明けになるが、ここまでよく回復してくれた。（追い切りに）２週続けてジョッキー（北村宏）が乗ってピリッとしてきた」。休養中に背中の筋肉が落ちて七分ぐらいの仕上がりというが、「（反応良く）スーッと行けるし、体重も先週の計量で５０６キロ。前走（日経賞２着＝５００キロ）とほとんど変わってない」と続けた。

　中山は通算４勝を全て挙げた得意コース。特に中山外回り２２００メートルは４戦３勝、取りこぼしたのはＡＪＣ杯（３着）だけだ。「中山が強い理由ですか？うーん…」。長老記者・梅崎の質問に同師は腕組みしながら、しばし脳裏を巡らせる。「切れる馬のような軽さがないから（パワーのいる）コースはかえって向くのかも…。ドリームジャーニー（父）も中山は得意コースでしたしね」。始動戦から翼を大きく広げれば、視野に入るのは、“夢の旅路”と命名された父が制した有馬記念。明るい未来が待っている。