【オークス】アーモンド 異次元2冠!誕生日ルメールが樫連覇

[ 2018年5月21日 05:30 ]

<オークス>2冠達成のアーモンドアイ鞍上のルメールは歓喜のガッツポーズ(撮影・村上 大輔)
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 歴史的名牝の誕生だ!牝馬クラシック第2弾「第79回オークス」が東京競馬場で行われ、断然の1番人気に推されたアーモンドアイが中団から桁違いの末脚を繰り出して2馬身差の完勝。14頭目の桜花賞&オークスの2冠を達成した。鞍上のC・ルメール(39)は昨年のソウルスターリングに続いて2年連続の優勝。グレード制導入後初となる誕生日Vのおまけ付きだった。アーモンドアイと同じロードカナロア産駒のステルヴィオで挑むダービーにも弾みをつけた。

 強い、強過ぎる。直線まだ半ば。大きな歓声に穴党のため息が交じった。「いや〜、凄い」とは引き揚げてきたルメールの第一声。誰もがそう感じたはずだ。「みんなチャンピオンホース(の走り)を見たと思います」。39回目の誕生日をオークス連覇で飾った名手は手放しで愛馬を称えた。

 決して予定通りの競馬ではなかった。レース直前の輪乗りで発汗。テンションが上がったことで想定外の好スタートを切った。外枠(13番)のため壁もつくれない。桜花賞では4角16番手から直線でごぼう抜きを演じた馬が、掛かり気味に1角を6番手で通過。国枝師は「あの位置はちょっとビックリした」と率直な感想を明かした。普通なら暴走しても不思議ないが、そこは百戦錬磨のルメール。うまくなだめる。「早めにハミを取って心配したが2角でリラックスできた。馬の呼吸もリズムも完璧で、外からのプレッシャーもなかった」と向正面ではVを確信したという。

 数字的にも申し分ない。勝ち時計の2分23秒8は12年の3冠牝馬ジェンティルドンナのレースレコードに0秒2差の好タイムで、上がり3Fは桜花賞と全く同じ33秒2。数々の名馬に騎乗してきたルメールはアーモンドの武器を「背中」と言う。「桜花賞は後ろからいい脚を使ったが、今日はいいポジションから同じ加速をした。背中が良くて瞬発力が強い」と話す。好位置からこの脚を使われてはライバルはなすすべがない。国内外で無敵を誇った名スプリンター、ロードカナロアの初年度産駒。距離延長がポイントと見られていたが、それも杞憂(きゆう)に終わった。鞍上は「特別な牝馬。ポテンシャルがとても高い。海外にも行ける」と大きな夢を口にした。

 秋は5頭目の牝馬3冠が懸かる秋華賞(10月14日、京都)へ。10年の3冠牝馬アパパネを管理した国枝師には、史上初となる「同一調教師2頭目の3冠馬」が懸かる。「どちらも真面目に一生懸命走ってくれるところが似ている。いい馬に巡り合えて本当に幸せ。これからもキチッと仕上げていい競馬を続けていきたい」と表情を引き締めた。

 ルメールはダービーではステルヴィオに騎乗する。昨年は共に藤沢和厩舎の馬でオークス&ダービー制覇を果たしたが、今年はロードカナロア産駒での“連勝”に挑戦。「ダービーは1番人気じゃないだろうけど、大きなチャンスがある」と腕をぶす。今週のルメール、今後のアーモンドアイ。晴天の府中を軽やかに駆け抜けた人馬からまだまだ目が離せない。

 ◆アーモンドアイ 父ロードカナロア 母フサイチパンドラ(母の父サンデーサイレンス)牝3歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績5戦4勝 総獲得賞金3億1341万9000円。

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