【京都新聞杯】フーリッシュ、クラシック戦線復活の重賞初V

[ 2018年5月6日 05:30 ]

藤岡佑を背に直線で抜け出し、京都新聞杯を制したステイフーリッシュ
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 東上最終便で実績馬が復活を遂げた!!日本ダービー(27日、東京)の最終切符を懸けた「第66回京都新聞杯」は5日、京都競馬場で行われ、7番人気のステイフーリッシュが2番手追走から押し切って重賞初制覇。2歳時にG1ホープフルSで3着がある逸材が、共同通信杯10着から鮮やかな一変Vを果たした。混戦といわれる競馬の祭典に、堂々と殴り込みをかける。

 一時はダービー戦線から姿を消した大器が、復活を遂げる重賞初制覇だ。7番人気の伏兵ステイフーリッシュが、2番手追走から堂々の押し切り。しっかりと東上切符をつかみ取った。これが初騎乗だった藤岡佑は、想像以上のパフォーマンスに舌を巻く。

 「追い切りで扱いやすい馬と感じたので、先入観を持たずに長距離の競馬をしようと思いました。長く脚を使えたし、抜け出してからも余裕がありました。素質はかなり高いですね」

 結果的に言えば、大方の予想をいい意味で裏切る、強気なレース運びだった。前半1000メートル58秒5という速めの流れを2番手追走。末脚勝負で3着に食い込んだ昨年末のホープフルSとは別馬のようだ。それでも鞍上は冷静だった。

 「跳びが大きいし、ペースが速いと感じませんでした。実際、勝ち時計から逆算しても、僕の位置取りだと速くなかったはずです」

 直線入り口で逃げたメイショウテッコンを捉えると、あとは独走。接戦の2着争いを尻目に、2分11秒0の好時計で完勝だ。東京競馬場でレースを見届けた矢作師も「2番手にいたから“何してんねん!?”と思ったけど、あの競馬だからな。俺の想像以上だったよ」とうれしい誤算を喜ぶ。共同通信杯で10着に敗れた後、減った馬体を戻すために放牧へ。回復に時間がかかったが、ようやく復調。「前走とは精神面が全然違ったし、このままの雰囲気でいくことが大事になる」と大一番を見据えた。

 馬名は故スティーブ・ジョブズのスピーチに由来しており、「常識に囚(とら)われるな」の意味がある。藤岡佑は皐月賞2着サンリヴァルに先約があるため、本番は乗り代わり。85年のシリウスシンボリ以来、ダービーを乗り代わりで制した馬はいないが、この日の走りを再現できれば…。27日の府中で、その名前通りに常識を覆すかもしれない。

 ◆ステイフーリッシュ 父ステイゴールド 母カウアイレーン(母の父キングカメハメハ)牡3歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績4戦2勝 総獲得賞金8040万4000円。

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