【福島牝馬S】ユキヒメ、初重賞V!秋山、JRA全場重賞制覇

[ 2018年4月22日 05:30 ]

外からの差し切りでレースを制した(7)キンショーユキヒメ
Photo By スポニチ

 21日、福島メインの「第15回福島牝馬S」で秋山真一郎(39)が大記録を成し遂げた。7番人気キンショーユキヒメを重賞初Vに導き、自身は史上5人目のJRA全10場重賞制覇を達成した。なお、同レースの1着馬にはヴィクトリアM(5月13日、東京)への優先出走権が与えられた。

 あどけない19歳の青年が制した神戸新聞杯から約20年。ベテランらしく喜びをかみ締めてインタビューに応じた秋山。まずは「初めて乗った時からいい馬だなと思っていた」と相棒のキンショーユキヒメの頑張りを称える。それでも、自身が達成した史上5人目のJRA全10場重賞制覇の話になると「騎手を始めて22年目。初めて人に言えるような記録を達成できました」と笑顔を見せた。

 レースは1番人気カワキタエンカが引っ張る展開。まずは好位勢がプレッシャーをかけ、5F通過は59秒0というハイペースに。3角付近からはトーセンビクトリー、デンコウアンジュが息つく間を与えず上がって行く。「レース前に先生(中村師)から“前が有利かもしれないが、この馬の末脚を生かしてほしい”と言われていた」と秋山。眼前の目まぐるしい展開には動じず、4角9番手で直線へ。グッとため込んだパワーを解放すると、ライバルたちを外からまとめてのみ込んだ。

 見守った中村師は「道中のペースが速くて、この馬に向いたのは確かだが、レースを使われて馬の状態は上がっていた」と納得の表情。栗東トレセンで調整した中間の調整法に手応えを感じたようで「うまくいったので次も在厩で。ヴィクトリアMを視野に調整していきたい」と話した。

 JRA重賞34勝目で偉業を成し遂げた鞍上。現役では武豊、横山典に続く3人目の大記録だ。お立ち台では「うれしいのもあるけど、ホッとした。福島で2つ目、3つ目を勝ちたいのでまた来ます!」と地元ファンを沸かせる一幕も。阪神で喜んだあの日からすっかり目尻のシワは深くなった。21年と1カ月21日をかけて、秋山が競馬史にその名を刻んだ。

 ◆キンショーユキヒメ 父メイショウサムソン 母アップルティー(母の父サンデーサイレンス)牝5歳 栗東・中村均厩舎所属 馬主・礒野日出夫氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績26戦6勝(うち地方1戦0勝) 総獲得賞金1億3960万円。

 ◆秋山 真一郎(あきやま・しんいちろう)1979年(昭54)2月9日、滋賀県出身の39歳。所属は栗東・フリー。97年3月1日、ヤマニンポシブルで初騎乗。同9日、スズカアオイで初勝利を挙げる。JRA通算11639戦939勝(21日現在)。G1は12年阪神JF(ローブティサージュ)、NHKマイルC(カレンブラックヒル)で2勝、重賞は34勝。1メートル67、50キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2018年4月22日のニュース