【フェブラリーS】ララベル、有終“ラストマジック”準備万端

[ 2018年2月16日 05:30 ]

フェブラリーSでラストランを迎えるララベル
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 大井所属の6歳牝馬ララベルは引退レースでの劇的ランを狙う。

 17年JBCレディスクラシックで悲願の交流G1制覇を果たしたララベル。地方競馬界に打倒JRAの夢を見させた“魔法少女”の物語が、ダート最高峰の舞台フェブラリーSで最終章を迎える。この後は北海道の社台ファームで繁殖入りする同馬。24日には大井競馬場で引退式も行われる。

 重賞6勝と輝かしい実績を誇るが、右トモや体質に弱い面があり一度も「完璧」な状態で走ったことがない。それでも休養のたびに成長しながら、懸命の走りで勝利を重ねてきた。兄や姉、妹も管理する厩舎秘蔵っ子のJBC制覇に、荒山師は人目をはばからず号泣した。そんな愛馬のラストラン。「厳しい相手とは承知だが、最後にこういうレースに挑めるこの馬はやはり“もっている”。とにかくララベルらしい走りをさせてあげたい」と、師は万感の思いを込める。

 「JBC後は状態が良過ぎて、一度緩めないとTCK女王盃まで持たないと思った。そこから上げていったが、おっとりした性格もあって重め残りに…。でもそれが、間隔が短い今回へはいい方に出るかもしれない。前走を叩いて今回の追い切りは、騎乗した青柳(厩務員)が“JBCの時より素軽くていい”と話すほど。やれることは全部やってきた」。最後にようやく完璧で臨めるかもしれない。そんな期待がにじんだ。

 もう一つ“もっている”と言えるのは、ここが最適条件であること。右回りだとJBCでも見せたようにササる面があり、元々は左回りの方が得意。距離も9Fは長い。以前から荒山師、主戦の真島ともにマイルがベストと言い続けてきた。最後の戦いが、最高の舞台――。数々の名勝負で地方競馬ファンをとりこにしてきた魔法少女が、府中のダートに究極のラストマジックをかける。

 ◆ララベル 父ゴールドアリュール 母ブリージーウッズ(母の父ティンバーカントリー) 牝6歳 大井・荒山勝徳厩舎所属 馬主・吉田照哉氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績18戦8勝(すべて公営・南関東) 総獲得賞金1億7152万5000円。馬名は80年代のテレビアニメ「魔法少女ララベル」から命名。

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2018年2月16日のニュース