【アイビスSD】スピード暴君ネロ、直千の名君へ!坂路で猛時計連発

[ 2016年7月29日 05:30 ]

得意の直千で重賞初制覇見えた!!朝一番の坂路で軽々と4F50秒5を計時したネロ

 新潟開幕週の重賞「アイビスSD」の木曜追いが28日に行われた。栗東ではネロが目いっぱいの仕上げ。中間は坂路で猛時計を連発。この日もスピード満点の動きを見せた。

【アイビスSD】

 ネロはこれまで“直千”競馬2勝、2着2回。底を見せない走りで適性の高さを示してきた。陣営はかねて「重賞を勝つならここ」とアイビスSDを最大目標に掲げており“目イチの仕上げ”を施してきた。17日に坂路併せ馬で4F48秒2~12秒7の自己ベスト。さらには3日後の1週前追いでも坂路単走で4F49秒0~12秒1。短期間での超抜時計連発だ。

 清永助手からは「他の馬から見れば速いように見えますが、これがこの馬のペースですから。でも、これだけ時計が出るということは高いスピードが必要。直線競馬はこの馬にとって一番の舞台で、素質は一級品です」と、このレースに懸ける意気込みがストレートに伝わってきた。

 当然、最終追い切りも抜かりのない調整だ。まっさらな朝一番の坂路で単走。いつも通り見習い騎手が騎乗してゆっくりと一歩目を踏み出すと、馬体を沈ませグングン加速していく。道中も気持ちの乗った迫力満点の行きっぷりで、軽々と4F50秒5を計時。ラスト2Fも全くの馬なりで12秒0→12秒1と“実戦さながら”の稽古で最終調整を終えた。清永助手は「それなりの時計になるだろうと思っていた。悔いのない仕上げができました」と満足そうに振り返った。

 デビュー当時から稽古駆けするタイプだったが、あり余るスピードを実戦で生かし切れずにいた時期もあった。近況は「(競馬での)力の入れどころが最近になって分かってきた感じ」という。飛躍のキッカケとなったのが昨秋の京洛S。それまでの8戦で5度も2着があったもどかしさがうそのように、2番手から2着以下を3馬身半突き放した。「あのレースをきっかけに勝ち癖がつきました」。次走のラピスラズリSも制し、オープン連勝を果たしている。その後、コーナーのある重賞では一歩足りなかっただけに、この重賞がまさにネロの勝負どころ。清永助手は「自分のペースで走れれば崩れない。あとは外枠を引ければ言うことなしです」と締めくくり、重賞初制覇を心待ちにしている。

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2016年7月29日のニュース