【天皇賞・春】ゴールドアクター100点 申し分ないステイヤー体形

[ 2016年4月27日 05:30 ]

つなぎ、トモの角度に満点。まさにステイヤーの体つきのゴールドアクター

 6連勝で盾獲りへ――。鈴木康弘元調教師(72)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。「第153回天皇賞・春」では唯一、ゴールドアクターを満点採点した。達眼がボディーチェックで捉えたのは、長距離適性と昨年からの顕著な変化。昨年の有馬記念に続くG1タイトルを引き寄せる秀逸なステイヤー体形と診断した。

【天皇賞・春】

 馬体のどこを見ても、徹頭徹尾ステイヤー。ゴールドアクターは天皇賞・春に挑むために生まれてきたような体つきです。首から肩、背中にかけてゆったりとしたつくり。トモ(後肢)の角度にも余裕がある。筋肉がガッチリと付いた短距離馬とは正反対の馬体。各部位のつながりに遊びがあるから疲労がたまりづらい。だから長距離にも対応できるという理屈です。

 ハミの取り方にもステイヤー資質が表れています。ゆとりを持ってリングバミをくわえている。道中、長手綱で息を抜いて走る長距離馬の遊び心が伝わってきます。耳の立て方もステイヤー仕様。竹を割ったような切っ先鋭い立て方ではなく、フワッとした立て方。物事をゆったりと受け止められる気性がうかがえます。

 昨年の有馬記念からの変化も見逃せません。立ち姿に安定感が増しています。当時の馬体写真と比べると、その違いは一目瞭然。有馬記念時は右前肢と左後肢の蹄を地面から浮かしていました。文字通り、浮足立った不安定な状態。今回も左後肢の蹄は持ち上げています。この馬の癖なのでしょう。ところが、右前肢の蹄を見ると…。浮かせることなく、しっかり大地に着けています。

 尾の姿にも変化が見られます。有馬記念時には尾の付け根を少し上に上げていましたが、今回はしっかり下げて流れるようなラインを描いています。前肢の立ち方と尾の姿の変化が示すのは落ち着き、心の充実ぶりです。肩や後肢にも有馬記念以上に張りがあります。毛ヅヤも申し分ない。

 ステイヤーが有馬記念以上に充実した姿で挑む盾舞台。天皇賞・春に挑むためではなく、勝つために生まれてきたような馬体です。

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2016年4月27日のニュース