【マイラーズC】フィエロ 稽古役から“昇格”鮫島兄と獲る初重賞

[ 2016年4月22日 05:30 ]

厩舎周りでの引き運動で調整するフィエロ

 決意に満ちた表情で大舞台に立つ。今週の日曜京都メイン「マイラーズC」でフィエロに騎乗予定だったM・デムーロが先週の皐月賞で騎乗停止になり、稽古役の鮫島良にチャンスが巡ってきた。これまで藤原英厩舎では08年エイジアンウインズ(阪神牝馬S)、同年トーホウアラン(京都大賞典)で重賞2勝。スターぞろいの厩舎で10年のダービー馬エイシンフラッシュなどを含め、ほとんどの馬の調教をつけてきた。

 「(松田国厩舎所属から)08年にフリーになったときから先生にかわいがってもらっている。いい馬にも乗せていただいて、レースでの乗り方もアドバイスしていただいている。本当に感謝しています」

 父は公営佐賀競馬の騎手・克也で、弟はJRA騎手で昨年デビューした克駿という競馬一家。刺激になっているのは弟の存在だ。デビュー1年目に39勝を挙げ「JRA最多勝利新人騎手賞」を獲得した。プライベートでは10歳離れた弟を思いやる優しい兄だが、レースではライバル。現在は減量特典のため乗り鞍の多い弟に勝ち星で離されているが、このチャンスで飛躍のきっかけをつかむ覚悟だ。

 フィエロには以前から調教にまたがり、この中間も3週続けて追い切りの手綱を取り、癖や特徴は把握している。「1週前にしっかりとやって、当週は馬なりでいい動き」。重賞未勝利だが、マイルCS2年連続2着など素質はG1級。京都の芝外回りマイル戦は【1・3・1・0】と相性も抜群だ。

 「競馬に乗ったジョッキーからは、操縦性が高くて調教よりもレースの方が乗りやすいと聞いている。プレッシャーはありますが、気負わず乗りたい」

 支えてくれる家族や関係者のために、結果で応えてみせる。

 ◆鮫島 良太(さめしま・りょうた)1987年(昭62)2月4日、佐賀県出身の29歳。父・克也は佐賀、弟・克駿はJRAの騎手。05年に栗東・松田国厩舎からデビューし、同年6月4日の中京12R・ケイウンバクシンで初勝利。06年小倉2歳Sのアストンマーチャンで重賞初V。JRA通算257勝(うち重賞5勝、21日現在)。

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