【大阪杯】アンビシャスG1馬5頭を完封!横山典の積極策決まった

[ 2016年4月4日 05:30 ]

首差で武豊騎乗のキタサンブラック(奥)に勝利した横山典騎乗のアンビシャス

 G1馬5頭が集結した豪華G2「第60回大阪杯」が3日、阪神競馬場で行われた。2番手追走の2番人気アンビシャスが逃げるキタサンブラックを首差かわして、G1馬をまとめて完封の快走。昨夏ラジオNIKKEI賞以来の重賞2勝目を飾り、G1戦線に名乗りを上げた。

【レース結果】

 新コンビの横山典に導かれたアンビシャスが、G1馬5頭を一蹴した。これまでの後方待機策から一転して、この日は2番手外を追走。前半1000メートル1分1秒1とキタサンブラックが引っ張る緩やかな流れを、手綱を絞りジッと我慢する。内回りのコーナーを回り切り、後方勢がスパートしたのを感じた瞬間にギアを入れ替えた。前を行くキタサンをラスト50メートルで射程圏に入れると、首差かわしてゴール板に飛び込んだ。殊勲の鞍上はホッとした表情でレースを振り返る。

 「リズムを重視して乗った。乗り難しい馬だが、僕もいろんな経験をしてきましたから。ゴールドシップよりは楽でしたよ(笑い)」

 デビューから折り合い面に難があり、前で運んだ昨年の共同通信杯、毎日杯は共に直線で伸びあぐねて3着に終わっていた。そのため陣営はタメる競馬で瞬発力勝負を選択してきた。ただ、今回は阪神の内回り戦で先行馬はそう簡単には止まらない。鞍上には秘策があった。「事前にジョッキーから考えがあるということで話をした。オーナーと相談して(戦術の)了解を得ていた。見た目以上に本人は“折り合っていた”と言っていた。こんなにうまくいくとはね」(音無師)。“行った、行った”の結果を見れば一目瞭然。名手の積極的な競馬がズバリと決まった。

 「デビュー前から見ていて、いい馬だなと思っていた。まだヨタヨタしているところはある。もう少しパンとしてくれば、必ず大きなところを狙える馬。これからが楽しみだね」

 前走の中山記念(2着)では同期の2冠馬ドゥラメンテを首差まで追い詰め、同じく先週のドバイターフを制したリアルスティールには半馬身差先着。すでに器は“G1級”だ。音無師は「あの2頭がドバイでいい競馬をしていたからね。きょうの結果で実力を証明できたんじゃないかな」と、“ドバイ落選”のうっぷんを晴らす勝利に笑みがこぼれた。

 今年の最大目標は天皇賞・秋(10月30日、東京)。「賞金を加算できたしオーナーと相談してからだが、無理に宝塚には向かわないと思う。秋なら毎日王冠からだね」とトレーナー。もう“未完の大器”とは言わせない。今秋、進化した走りでライバルたちに堂々挑戦状を叩きつける。

 ◆アンビシャス 父ディープインパクト 母カーニバルソング(母の父エルコンドルパサー)牡4歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・近藤英子氏 生産者・北海道浦河町辻牧場 戦績10戦5勝 総獲得賞金2億94万9000円。

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