高知卒業組で異例種牡馬入り シュヴァリエに新たな夢託す

[ 2015年11月6日 05:30 ]

引退式当日のグランシュヴァリエ(提供・高知県競馬組合)

 【地方競馬です!!】高知競馬に夢を運んだ1頭の競走馬。10年にJRAから雑賀正光厩舎に移籍。10年南部杯3着、11年JBCクラシック(大井)4着などダートグレード戦線で活躍し、南関でもその名を知られる存在だったグランシュヴァリエ(牡10)が10月31日、惜しまれつつ引退した。地元では大一番の重賞・高知県知事賞を12、13年と連覇し、大将格として君臨した。

 屈腱炎を抱えていたが、数々の移籍馬を再生させてきた雑賀厩舎で輝きを取り戻した。「普通の馬では我慢できないところをよく我慢した。脚部不安がなければ中央でもオープン馬になっていたと思う」と雑賀師。走る馬特有ともいえる悍(かん)性の強い馬で、馬自身の勝負根性も素晴らしかった。「交流競走では強敵相手に楽しませてくれたし、地元では負けられないというプレッシャーを味わった。楽しみと不安両方で6年間ドキドキさせてくれた」。年間200勝以上を挙げ、5年連続全国リーディングを狙う師にとっても印象深い1頭だという。

 さらに高知卒業組では異例の種牡馬入り決定。北海道浦河町のイーストスタッドでけい養される。「管理馬の種牡馬入りは初めて。産駒に意外性のある父の良いところが出ればいい。産駒育てるためにあと3年は調教師を続けなきゃ。夢ができた」と雑賀師。高知馬の強さを全国に知らしめたグランシュヴァリエ。彼の新たな夢が届くのが待ち遠しい。 (秋田 麻由子)

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2015年11月6日のニュース