【オークス】ミッキー、正真正銘クイーン!桜花賞除外の無念晴らした

[ 2015年5月25日 05:30 ]

ルージュバック(右)との競り合いを制したミッキークイーン。左はクルミナル

 牝馬クラシック第2弾「第76回オークス」が24日、東京競馬場で行われた。中団を進んだ3番人気ミッキークイーンが剛脚をサク裂させ、先に抜け出した1番人気ルージュバックを3/4馬身差し切って樫の女王に輝いた。池江泰寿師(46)は牝馬G1初戴冠、浜中俊騎手(26)は5つ目のG1タイトルとなった。2番人気の桜花賞馬レッツゴードンキは10着に敗れた。

【レース結果】

 この馬の力を証明したい――。浜中の必死の思いがミッキークイーンに乗り移った。直線は先に抜け出したルージュバック、食い下がるクルミナル、外から猛追するミッキークイーンの3頭のデッドヒート。クルミナルを捉えたところで、浜中はこん身の右ステッキ5発を打ち込んだ。父ディープインパクト譲りの強烈な末脚が叩き出した上がり3Fは、メンバー中最速の34秒0!内で必死に粘るルージュを3/4馬身かわし、真っ先にゴール板に飛び込んだ。

 浜中は新馬からコンビを組む相棒で牝馬クラシック初制覇を飾った。妻と愛娘が見守ったスタンドに向け、ウイニングランでは大きくガッツポーズ。続けてステッキとゴーグルも投げ入れ「デビューからホレ込んでいた馬で勝てたことがうれしい。前の2頭も強かったが、最後の最後までミッキーの力の方が上だと信じていた」と喜びを爆発させた。

 3分の2の抽選に漏れ、桜花賞は無念の除外。同日の忘れな草賞を制しオークス出走へ賞金を加算した。その圧巻の勝ちっぷりから、「幻の桜花賞馬」の声も上がったほど。「生涯に一度の桜花賞に出走させてあげられなかったので、ここに懸ける思いは強かった」と鞍上が話せば、池江師も「悔しい思いをした分うれしかった。最後は浜中くんの剛腕。しびれたね」と笑顔で振り返った。

 オルフェーヴルの牡馬3冠はじめ、この勝利でG1通算11勝目となったトレーナーだが、意外にも牝馬G1は11度目の挑戦で初戴冠。「これでジンクスは解けたかな。これからは牝馬でも勝つよ」と上機嫌。父・泰郎氏が管理したディープ産駒での勝利に「線が細くて頼りないが、ディープもそうだった。父に言われるのは、ディープは中身で走るということ。カイバを食べさせて、しっかり稽古を積めば結果を出してくれる」と池江師。父が手掛けた大切な血統を、確かな手腕で受け継いでいる。

 秋は2冠を目指すべく、秋華賞(10月18日、京都)へ。「この勝利で世代No・1だと証明できた。あとは、最後の1冠をきっちりと勝たせてあげたい」とトレーナー。絶大な信頼を寄せる愛馬に、大きく期待を膨らませた。

 ◆ミッキークイーン 父ディープインパクト 母ミュージカルウェイ(母の父ゴールドアウェイ)牝3歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦3勝 総獲得賞金1億6632万8000円。

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