【スプリングS】ダノンメジャー 頼れる伊の名手・バルジューで逆襲

[ 2015年3月20日 05:30 ]

雨の中、厩舎周りを運動するダノンメジャー

 オレを忘れるな!今月“JRA所属騎手”としてデビューしたミルコ・デムーロが大いに目立っているが、年明けからJRA短期免許で騎乗しているダリオ・バルジュー(38=イタリア)も負けじと“いぶし銀”の存在感を放っている。スプリングSではダノンメジャーとコンビを組んで重賞Vを狙う。

【スプリングS】

 イタリアの名手バルジューの存在感が高まっている。年明けから日本で騎乗して14勝。短期免許期間は今月末までで残り2週あるが、現時点で近2年の勝ち星(13年1勝、14年12勝)を上回っている。02年にミラノ大賞典を勝ち、日本でも03年にコスモサンビームで朝日杯FSを勝つなど実績は十分。「毎週乗せてもらって、いい気持ちでレースに集中できている。それが自信につながっている」と好リズムだ。

 一昨年は6年ぶりの来日だったが、免許期間が1カ月と短く、美浦から栗東に拠点を移したのもあって、自身をアピールするのが難しかった。「今年は3カ月。今までより関係者を知っているし、声をかけてもらえるようになった。トレーナーをつけて、馬に乗るために必要な体幹とかバランスの筋肉を鍛えているんだ」。悔しさをバネにしてトレーニングに励み、リベンジの機会をうかがっていた。

 日本での活躍がステータスになる。騎乗レベルの高さや施設の充実ぶりを肌で感じ、人柄にもほれ込んでいる。「日本人は大好き。競馬を見てもいいところを挙げたらキリがない。イタリアに帰りたくないと思うほど」。ミルコ・デムーロやルメールがJRA所属騎手になったことについて「彼らが頑張っている姿を見ると、自分も負けていられない。もっと勝たなきゃと思う」と語り、さらなる活躍を誓った。

 今週はスプリングSでダノンメジャー、ファルコンSでセカンドテーブルに騎乗。ダノンメジャーには11日の調教再審査でまたがり、手応えをつかんでいる。「前走はレース中に止まってしまったらしいね。何が起きたかは分からないけど、調教再審査で乗ったときは素直だったし癖もない。力がある馬で不安もない。重賞をもっと勝ちたいね」。不振に陥ったパートナーを復活に導けるか。培った経験、技術を手綱に注ぎ込んでファンを魅了する。

 ◆ダリオ・バルジュー 1976年8月24日、イタリア生まれの38歳。97年にイタリアの騎手免許を取得。13、14年イタリアのリーディング1位。02年11月に初めて日本の短期免許を取得。日本通算1151戦88勝(うち重賞4勝)。

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