【フラワーC】ノットフォーマル 黛父子で咲かす夢桜

[ 2015年3月20日 05:30 ]

ノットフォーマルとコンビを組む黛。鞍上は同馬担当の父・幸弘助手

 フラワーCにはフェアリーSの覇者・ノットフォーマルに騎乗する黛弘人(29)が、“父子コンビ”でのG1出走実現に向け、不退転の決意で挑む。

 重賞連覇で桜舞台へ。ノットフォーマルで挑んだ前走・フェアリーSを鮮やかに逃げ切った黛弘人が燃えている。06年3月の騎手デビューから10年目、夢にまで見た重賞初Vの美酒だった。しかも、同馬を担当する幸弘助手は父。かつて、中野栄治厩舎を支えたG1馬トロットスターの調教パートナーでもあった。

 会心の手綱の感触を思い起こすように、黛は切り出した。「スタートセンスが良く、スッと前につけられる馬。勝負根性が一番のセールスポイント。前走は自分のペースを守り、最後もしっかり反応してくれた。ゴール前は必死でしたよ。何とか持ってくれ!!と。親父も“きょうはうまく乗った”と褒めてくれた」

 現在はフリーでも、見習い騎手時代に所属した中野厩舎の管理馬。昨年7月の函館新馬戦(6着)から5戦連続騎乗。一度は他の騎手にバトンは渡ったが、再び舞い戻ったチャンスを最高の形で生かした。かつての師匠でもある中野師は「前走?前に行ってほしいとは思ったけど、まさか逃げるとはね…。あの子なりに考えたんでしょう。レースに関しては何も言わないよ」と着実に成長した愛弟子に目を細めた。

 18日の最終追いも含め、追い切りには3週連続で騎乗した。賞金的に桜花賞は既にOKでも、フラワーCの意義は黛自身が痛感している。「1週前の段階から感触は良かったし、馬の方は大丈夫。(1F延長の)1800メートルもコントロールが利く馬なので心配ない。あとは人間。これだけの馬に乗せてもらって本当にありがたい。僕自身も一戦一戦が勝負。父の担当馬でG1を勝ちたいという夢がありますから」と端正な顔立ちの黛は、キッパリと言い放った。フェアリーS同様、ここでも結果を出せれば、3週間後の“本番”は至高の勝負の場となる。

 ◆黛 弘人(まゆずみ・ひろと)1985年(昭60)11月12日、茨城県出身の29歳。06年3月にデビューし、同4月1日中山8Rのイチライタッチで初勝利。19日現在でJRA通算2815戦94勝(重賞1勝)。1メートル65、47キロ。血液型A。妻はタレントの水野由加里。

続きを表示

この記事のフォト

2015年3月20日のニュース