【天皇賞・秋】エピファネイア 春0勝の菊花賞馬が猛特訓

[ 2014年10月29日 05:30 ]

春は未勝利に終わったエピファネイア。万全の態勢で盾獲りに挑む

 勝負の秋――。昨年の菊花賞馬エピファネイアは春2戦、未勝利に終わった。同期のダービー馬キズナとの再戦に沸いた大阪杯は直線でライバルにかわされ、前で粘るトウカイパラダイスにも届かず3着。香港遠征したクイーンエリザベス2世C(4着)も、好位3番手から手応え良く直線に向いたが伸び切れなかった。

 担当の鈴木助手は「春は折り合い重視で調整していたし、少し可愛がり過ぎたのかも。海外遠征も加味しながらの調整だった。それが結果として…」と振り返る。香港遠征後は宝塚記念参戦も視野に入れていたが、見送って秋に備えた。「遠征のダメージが少し残っていたし、北海道へ放牧した。夏をいい状態で過ごして一回り大きくなって帰ってきた」と報告。

 今月3日に帰厩、2週前の16日にはCWコースで6F79秒2の猛時計をマークした。「長めから乗って一番時計。G1に直行するし入念に乗り込んできた。春より明らかに攻められている」。CWコースで80秒を切る“攻めた調教”は、今春にはなかった。昨秋の神戸新聞杯(1着)の最終追い(78秒7)以来の猛時計だ。これだけ攻めても馬体重は500キロ前後と充実(前走483キロ)。「体はプラスで出せそうだし、太めには見えない。初戦から動ける仕上がりにあると思う」と目を細めた。

 水曜の最終追いではある“スパイス”を加えるプランが浮上。これまでの稽古では馬なりの調整が中心だったが、春2戦の敗戦を踏まえ、直線でしっかり追う調教を“解禁”する可能性があるという。「しっかり走ることを教えた方がいいのかなと、ジョッキー(福永)と話している。教えたことはやってくれる馬。直線で追う稽古はデビュー前以来かな」

 昨年のクラシック3冠は2→2→1着。実力は間違いなく世代トップクラスだ。「何とか昨年みたいな走りを見せてくれたら。ユーイチくんも、このレースに懸ける思いがあると思う」と鈴木助手。福永は全10戦のうち騎乗停止中の弥生賞を除き、9戦で手綱を取った。昨年、ジャスタウェイとのコンビで大金星Vを決めた鞍上が、同じ4歳の期待馬を勝利に導く。

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2014年10月29日のニュース