【天皇賞・秋】フラガラッハが放つ狙い澄ました“一撃”

　【Ｇ１ドキュメント＝２８日】犬も歩けば棒に当たる。ポンコツ記者でも、たまにいい情報にぶち当たることもあるのだ。先週火曜はトーホウジャッカルで菊花賞を制した鞍上・酒井の気迫に圧倒され、年がいもなく興奮したオサムだったが、今週はさっそく“これ！！”と思える強気に遭遇した。フラガラッハだ。

　昨年の天皇賞・秋以来となる３度目のＧ１挑戦。失礼な話、穴記者の眼中にも入ってなかったが、この朝の松永幹師の話に一気に引き込まれた。陣営は勝算を持って臨むと言うのだ。「昨年はマイルを使っての２０００メートル。今年は中距離を使ってきての天皇賞になりますからね。それだけでもかなり違う。当然、前走はここを意識してのオールカマー。最後はいい脚を使ってくれた。状態も去年よりいいと思いますよ」

　確かに昨年は夏場に中京記念から関屋記念、京成杯ＡＨのマイル重賞３連戦を経ての天皇賞。今年は一転中距離へとシフト。年明けのＡＪＣ杯を皮切りに中日新聞杯、大阪杯、鳴尾記念、マイルの中京記念を挟んだものの、前走は１１Ｆ戦のオールカマーを選択。明らかに秋の天皇賞をにらんだローテーションと言える。

　その視点から前走のオールカマーを再分析すると、侮れない内容であることが分かる。マイネルラクリマが２番手から抜け出す完全に“前残り”の流れ。３コーナー１８番手、４コーナー１５番手から直線上がり３３秒８の鬼脚で強襲。勝ち馬を上回る存在感を示した。

　「今の東京は時計がかかっているし、差しが決まっていますからね」と松永幹師はほくそ笑む。理想はスローで流れ、直線いわゆるだんご状態からの追い比べ。０５年、単勝１４番人気のヘヴンリーロマンスに騎乗し直線インから強襲。１番人気ゼンノロブロイを頭差沈めた元ジョッキーの言葉ゆえ、説得力があった。狙い澄ました天皇賞・秋。“一撃”のイメージはしっかり出来上がっている。