【秋華賞】ヌーヴォ&バウンス 好々爺パワー“孫娘”の戴冠自信

[ 2014年10月16日 05:30 ]

洗い場でヌーヴォレコルトを手入れする小松厩務員

 大一番に備えヌーヴォレコルト、バウンスシャッセ、ペイシャフェリスの3頭の関東馬が栗東滞在中。そのうち、ヌーヴォとバウンスを担当する厩務員は2人とも60代の大ベテラン。元気なシニア世代がその豊富な経験と技術で、うら若き乙女たちを支えている。

 ヌーヴォはローズS快勝後、そのまま直接入厩。15日はCWコースを1周してから角馬場でハッキングを行い、翌日の最終追いに備えた。傍らに寄り添うのは、67歳の小松美彦厩務員。この道45年の超ベテラン。矢野進厩舎では97年桜花賞3着のホーネットピアス、鹿戸雄厩舎では08年桜花賞&オークス2着のエフティマイアを担当。

 65歳定年を前に斎藤師に声を掛けられ、「俺からこの仕事を取ったら何も残らない」と現役続行を決めた。今は調教補充員として厩務員の仕事を続ける。「補充員」といっても仕事内容は何ら変わりない。体力勝負は同じだ。普段から馬をリラックスさせることを心掛ける。「厩務員は馬に乗らない。自分が接する時くらいはストレスがかからないようにしている」とコツを明かす。史上4頭目(3冠をのぞく)のオークス&秋華賞2冠へ、手応えは十分。「春からのいい状態をキープして競馬を使えるのは、この馬の強さ」。最高の相棒とともに歓喜の瞬間を待っている。

 バウンスは10日から滞在。この日は坂路を4F62秒6~1F14秒2で流した。「ここ2走は馬場やフケが敗因。状態は確実に上向いている」と力強いのは、62歳の大館秀雄厩務員。こちらは菊池厩舎時代、81年皐月賞&ダービー2冠馬カツトップエースを担当した。藤沢和厩舎は16年目。「体だけは壊さないようにやってきた。馬を大事にするやり方は今も昔も変わらないよ」と秘けつを明かす。

 ダービー厩務員をもってしても牝馬は難解だ。「カイバを食べたり食べなかったり。イライラさせないように、変わったことはせず、自然体で接する」のがコツ。バウンスについては「フケはもう大丈夫。あとは、レースで気持ちが入ってくれれば」と手応えは十分。オークスはヌーヴォに0秒1差の3着。腕利き厩務員のこん身仕上げで大逆転戴冠なるか。

続きを表示

この記事のフォト

2014年10月16日のニュース