【AJC杯】レッドレイヴン11秒9!藤沢和師「思った以上に速い」

[ 2014年1月23日 05:30 ]

3頭併せで追い切ったレッドレイヴン(右)は手応え十分に先着する

 古馬の一線級が集結した中山メーン「第55回AJC杯」の最終追いが22日、美浦、栗東トレセンで行われた。暮れの美浦S1着でオープン再昇級を果たした4歳馬レッドレイヴンは坂路の3頭併せで豪快に先着。2歳時にクラシック候補と呼ばれた逸材が、重賞初制覇に王手だ。

【AJC杯】

 レッドレイヴンが坂路で明け4歳の勢いを見せつけた。柴田善が手綱を抑えたまま、4F50秒8~1F11秒9。中レッドスパーダ(8歳オープン)に半馬身、外ベビーネイル(7歳1600万)に2馬身先着。力感たっぷりに駆け抜けた。鞍上は「いい動き。力みなくスーッと伸びたね。力が入っているように見えるかもしれないけど、それがこの馬のリズム」と満足そう。見届けた藤沢和師は「先週も先々週も坂路だけど、使ってきた馬だからこれで十分。思った以上に速かったね。オープン馬だから、これぐらいは当然かな」と笑顔だ。

 デビュー前はクラシック候補と呼ばれた逸材。昨春はダービー(12着)に進んだが、体質の弱さで結果が伴わず。しかし、昨秋復帰後は軌道に乗った。甲斐路Sは2着。続く美浦Sは馬なりで、約1年1カ月ぶりの白星。指揮官は「昨年の今頃は爪の不安などで休んだことを考えれば、順調なのが何より。前走は強かった。2走前も勝った小島太さんの馬(ディサイファ)も相当強い。今年は大きなところを意識している」と期待を膨らませている。

 レース選びにも、第一人者らしい配慮がある。京都や次週東京ではなく、あえて最終週の中山へ。高速ターフではなく、ソフトでタフな芝が最良との判断。師は「今はもう爪の不安はないけど、東京だと3F32~33秒台になる。その点、中山はめちゃくちゃ時計が速くならないから安心。簡単に逃げ切れる馬場ではないし、追い込みが利くのもいい」と理由を挙げる。

 2歳時の東京スポーツ杯2歳S2着。形の上では“昇級初戦”でも、臆することは何もない。柴田善は「前走は前の馬(フェスティヴタロー)が楽なので早めに動いたが、もっとゆっくりでもいい感触だった。あの感じなら、距離延長はOK」と前向きなら、指揮官も「秋にはいいレースもあるから、そのためにも結果を出したい」と気合を込めた。G1再進出のためにも譲れない始動戦だ。

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