吉田稔さん 名古屋の名手から“子育てパパ”に

[ 2013年5月31日 06:00 ]

ナニハトモアレの半妹「ペルファヴォーレの2011」と吉田稔元騎手

 【地方競馬です!!】昨年9月末でステッキを置いた名古屋の名手・吉田稔さん(44)は今、北海道日高町で育成厩舎を構えている。騎手時代に期間限定騎乗で慣れ親しんだ門別。2歳戦が盛んな当地で、競走馬の育成にあらためて興味が湧いたという。

 開業初年は13頭を育成。「この仔はアイポッパー(07年G2阪神大賞典1着)の下で」と預託馬を紹介しながら、「うちの馬は素直に診察させてくれるいい子だって、歯医者さんが褒めてくれるんです」と、わが子のことのように目尻を下げる。10年連続名古屋リーディングやJRAでも輝かしい実績を築いた勝負師は、何とすっかり“子育てパパ”になっていた!というのは冗談だが、人によく慣れた馬たちを見て「体づくりも大事だが、人間と馬がいい関係を築けるよう、メンタル面をより重視している」という吉田さんの育成方針が貫かれているのを感じた。

 「馬の成長を実感できるのが面白い。無事に走り続けてくれるのが一番だが、結果が求められる世界。やはり勝てる馬を育成するのが目標」。初めて手掛けた1頭(サカジロキングオー)が先日、JRAでゲート試験に合格した。31日、浦和で南関東も新馬戦がスタートし、続々と2歳馬たちがデビューを迎える。吉田さんが育てた馬たちがターフで躍動する。そんな姿が見られる日も近い。 (秋田 麻由子)

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2013年5月31日のニュース