【ダービー】名馬プレーバック 1994年ナリタブライアン

[ 2013年5月26日 06:00 ]

 馬券の年間売り上げが4兆円に迫る勢いだった94年。シャドーロールの怪物がターフを席巻した。ナリタブライアン。史上5頭目の3冠馬は、とにかく勝ちっぷりがド派手だった。

 3冠レースはいずれもワンサイド勝ち。皐月賞3馬身半、ダービー5馬身、菊花賞は7馬身と、勝つたびに着差を広げていった。その年の有馬記念も制し、名実共に頂点を極めたが、古馬となってからは結果を残せず、95、96年の阪神大賞典を連覇したのみ。G1のゴールを先頭で駆け抜けることはなく、屈腱炎が原因で96年引退。批判を顧みず挑戦したスプリントG1高松宮杯(当時、4着)が、くしくも現役最後のレースとなった。種牡馬入りしたが産駒をわずか2世代残しただけで、98年に胃破裂により急死した。3冠に全能力をささげ、燃え尽きたブライアン。トレードマークのシャドーロールと共に、ライバルを寄せ付けない孤高の走りが脳裏に焼き付いている。

 【ダービーVTR・1994年ナリタブライアン】皐月賞をコースレコードで圧勝したナリタブライアンが単勝1・2倍の圧倒的1番人気となった。4コーナー手前からまくり気味に動き、直線は大外を独走。内で粘るエアダブリンに5馬身差の圧勝で2冠達成。暮れの朝日杯3歳Sから重賞5連勝とまさに独壇場だった。

 ◆ナリタブライアン 父ブライアンズタイム 母パシフィカス(母の父ノーザンダンサー)91年生まれ 栗東・大久保正陽厩舎所属 馬主・山路秀則氏 生産者・北海道新冠町早田牧場新冠支場 戦績21戦12勝 総獲得賞金10億2691万6000円。

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