【立川ダービー】村上兄 GP男“魂の走り”見せた、決勝は単騎

[ 2013年3月24日 06:00 ]

単騎戦になる村上。魂の走りでダービー2勝目を目指す

 持ち前の“魂の走り”は健在だ。白のチャンピオンユニホームに身を包んだ村上が決勝に駒を進めてきた。決して体調は万全ではない。「普段の生活ですら、体の重さを感じている。今年はずっとまとまった練習ができていないから…」。年明けからさまざまなイベントなどに駆り出され、多忙を極める毎日。満足のいく練習ができていない。それでも体調面の不安を精神力でカバーするのが村上だ。

 初戦で5着に敗れ、無事故、完走で準決勝に進めるゴールデンレーサー賞ではなく、勝ち上がりの厳しい二次予選回りになった。「踏み出した感じが良くなくて」。逃げた川村をぎりぎりかわすのが精いっぱいだった二次予選。準決勝は前を任せた脇本の番手から抜け出したものの、佐藤友のまくりに屈して2着。「勝った佐藤君が強かった」と話すなど、(5)(1)(2)の勝ち上がりは決して満足できるものではないが、前回G1の松山全日本選抜(決勝5着)に続き、今回も決勝を外さなかった。気力だけで乗り越えてきた印象だ。

 残る関門はあと1つ。だが、これまで以上に状況は厳しい。決勝は北日本勢が5人。それも別線ではなく5人で連係するというのに、味方は1人もいない。それでも村上は本来の走りを貫く。「ラインに助けられてここまで来ることができたのだから、いつも通りの競走をするのが仲間への礼儀だと思う。深谷君は空いているが、単騎で自力。勝てるように頑張るだけ」と明言。作戦に一切の迷いはない。

 目指すは単騎でこん身のまくりを見せた昨年のグランプリでの“奇跡の復活”だ。直前練習で肋骨を骨折、誰もが無理だと思っていたからこそ、より勝利の印象が鮮烈だった。一昨年のダービー覇者、村上が再び奇跡を起こす。

 ◆村上 義弘(むらかみ・よしひろ)1974年(昭49)7月6日生まれの38歳。京都市出身。私立花園高卒。94年4月プロデビュー。主な優勝は第18回全日本選抜(02年)、第46回オールスター(03年)、第64回日本選手権(11年)、グランプリ2012。1メートル70、75キロ。血液型O。

続きを表示

2013年3月24日のニュース