【根岸Ｓ】控えめムードも　天間厩舎の人気薄逃げ馬は要注意

　【東西ドキュメント・美浦＝２２日】夜半に降り続いた雨は、馬場開場の午前７時には上がっていた。寺下は気分良く取材を開始。最初に調教スタンドに現れたのは根岸Ｓにトシキャンディを送り込む天間師だ。

　「状態は悪くないし、出来は平行線だな」。そうコメントすると、足早に立ち去った。だが、寺下も食い下がる。昨夏の波乱のシーンが忘れられなかった。

　プロキオンＳ。単勝１１９・２倍の１２番人気ながら堂々と逃げ切った。それ以降の近３走は２、３番手から控える競馬で惨敗。師は「逃げた方が持ち味が生きる。東京ならハナには立ちやすいが直線が長いのがどうかだな」。トーンは依然、控えめだった。

　だが、この厩舎の人気薄の逃げ馬には要注意。昨秋の新潟は単勝１７６倍のノボピュアリティ、年明けのフェアリーＳは同８３・３倍のクラウンロゼがハナに立って押し切った。師は「たまたま。なかなかうまくはいかないよ」。含み笑いが不気味だった。