【宝塚記念】フラッシュ 新走法でぶっちぎり!

[ 2012年6月21日 06:00 ]

【宝塚記念】CWコースで、内田を背に、併せ調教で追い切るエイシンフラッシュ

 上半期の総決算「第53回宝塚記念」の追い切りが20日、栗東、美浦両トレセンで行われた。栗東CWコースでは10年ダービー馬エイシンフラッシュが軽快。前走・ドバイワールドC(6着)で身に付けた新たなフォームを武器にG12勝目に挑む。

 黒光りした馬体が弾丸のように突き進む。エイシンフラッシュは帰ってきた主戦・内田が2週続けての調教騎乗。CWコースでロードアクレイム(3歳1000万)を1秒以上後方から追いかけてスタートした。3角手前で7~8馬身あった差をコーナーで一気に詰め、4角出口で内に馬体を併せた。残り1Fで1馬身前に出ると、そこから内田が左ステッキを3発。びっしりと手綱をしごき、1F12秒0。5馬身ちぎってゴールした。

 時計が掛かる馬場コンディションだったが「リズム良くスムーズな追い切りができた」と内田。大きく追走した調教内容について「最後は負荷を掛けてほしいとの指示だったし、一緒に走った馬とは能力差もあるので、あまり近づいても併せ馬にならない」と意図を説明した上で「先週より反応も良かったし、いい状態」と手応え十分。藤原英師は「ドバイでタペタ(全天候型馬場)という力のいる馬場を経験したことで、帰ってきてから全身を使う動きになった」と海外挑戦で得た収穫を強調した。

 内田は昨年の天皇賞・春(2着)以来、約1年2カ月ぶりのコンビ復活。落馬負傷による8カ月の戦線離脱もあって手綱を明け渡していたが、初めてダービー(10年)を制した思い入れの強い1頭だ。「もう乗れなくても仕方ないと思っていたので、乗せてもらえるのは本当にうれしい」。自身は2日間の騎乗停止明け。裁決をめぐり小島茂師が不服申し立てを行った10日東京8Rで審議対象となった1着馬に騎乗していた。「自分の失敗で迷惑をかけ申し訳ない」と非を認めた上で「自分としては次に進んでいくしかない」と決意を新たにした。

 「馬を信じて力を出し切ってやりたい。何とか結果を」と意気込む鞍上に「内田が戻って来たのが何より心強い」と藤原英師。フラッシュの漆黒の馬体には、やはりこの男がよく似合う。

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2012年6月21日のニュース