【フェブラリーＳ】ボス迫力！砂向きのパワー走法

＜フェブラリーＳ＞坂路、グランプリボス（左）はオセアニアボスと併せて追い切られる

　中央競馬１２年Ｇ１第１弾「第２９回フェブラリーＳ」の追い切りが１５日、美浦、栗東両トレセン、船橋競馬場で行われた。ダート初挑戦のグランプリボスは力強い動きで好調をアピール。芝のマイルＧ１・２勝の実績を引っ提げ一発を狙える出来に仕上がった。

　グランプリボスは坂路でオセアニアボス（７歳オープン）を追いかける形。後半に並びかけても一気に加速することなく我慢させつつ、最後まで併せながらしまいを伸ばした。先着したのは頭差ほど。４Ｆ５５秒２～１３秒１と時計もさほど目立たないが、水分を含んだ重い馬場だったことを踏まえれば不安視する必要は全くない。何より手綱をとった小林慎（レースは内田）の感触がいい。

　「（前半）馬の後ろにつけて折り合えました。太め残りって感じじゃないですし、去年の秋に比べても動きに迫力がありますね」

　見届けた矢作師も「もうひと伸びあればベストだったけど、きょうは馬場が重いから仕方ない」と及第点を与えて、状態の良さに目を細めた。

　本来は叩きつつ調子を上げていくタイプ。今回は２カ月ぶりとなるものの「早い時期からここと決めていた」と指揮官が語る通り、中間は放牧先でも緩めることなく入念に乗り込んでいきなり力を出せる態勢。海外遠征からの疲れをとるため完全に休ませていた期間があった昨夏の放牧とは訳が違う。「休み明けを言い訳にはしたくない」とキッパリ言い切るほど、仕上がりに自信があるのだ。

　カギになるのは初ダート。「やってみないことにはね」とトレーナーは前置きしたうえで、「跳びがきれいで軽い走りって感じじゃなく、パワーがある」と砂向きの走法であることを指摘。さらに「母系をみても、お母さんと兄姉はダートでしか走っていないから」と血統面も後押ししていることを強調し、ダートという新たなステージもこの馬なら、と手応えをにじませた。

　ドバイ遠征を視野に入れているが、まずはこの一戦に集中。並み居る強豪がそろったＧ１で結果を出してから。「いい競馬をしないとね」と矢作師は気を引き締めていた。