【フェブラリーＳ】アキュート抜群「ピークに近い」

＜フェブラリーＳ＞和田を背に、ＣＷで追い切るワンダーアキュート

　中央競馬１２年Ｇ１第１弾「第２９回フェブラリーＳ」の追い切りが１５日、美浦、栗東両トレセン、船橋競馬場で行われた。昨年のＪＣダート、東京大賞典で連続、銀メダルに泣いたワンダーアキュートは栗東のＣＷコースで単走追い。軽く流した程度だったが、鞍上・和田は悲願のタイトル奪取へ、確かな手応えをつかんだ。

　主戦・和田が自らの感覚でワンダーアキュートを最高の状態に仕上げた。前日からの雨で水分を含んだ馬場でも、鞍上との呼吸はピッタリ。リズム良くコーナーを回ると、直線の脚取りも力強い。道悪馬場でもフットワークは乱れることなくラスト１Ｆへ。そこで鞍上が軽く手を動かして愛馬の反応をそっと確かめた。

　和田は「追うところはなかったけど、顎が上がるところもなかったし、動きは先週と全然違っていた。抜群だったね。感触はピークに近いかな」と絶賛した。

　続けて「先週の動きが物足らないかなという動きだったので、それなりにやってくれとの指示だった。でも、自分できのう（火曜）、きょうと乗って先週やってからの上昇度が高いと感じたし、整える程度で十分だと思った」と説明。

　現時点で絶対王者トランセンドに最も近いのは間違いなくこの馬だ。２走前のＪＣダートは、スタート直後につまずくアクシデントがありながら、直線で王者を追い詰めて２着。「ちょっと馬が緊張していてゲートでああいう形に。それでも力は示してくれた」とあらためて能力を評価する。

　前走の東京大賞典（２着）は、苦手な長距離輸送を克服してゲートを決めると、スマートファルコンに３・５センチ差に迫った。激走の裏には陣営の試行錯誤があった。集中して臨めるように馬具を工夫。「ホライゾネットの効果はあったし、今回も平常心で臨めれば」と意気込む。

　逆転へ向けて舞台替わりは追い風になる。同じ府中のマイル戦だった０９年武蔵野Ｓは逃げ切りＶ。「もともと、ゲートは普通より速いし、芝スタートのコースはスムーズな競馬ができているから」と鞍上。同じ芝スタートの阪神ダート２０００メートルは、３戦全勝。

　和田は１５戦でコンビを組んだ気心知れた相棒と自信を持って臨む。「タイトルが獲れるレベルまで上がってきているし、真っ向勝負でぶつかるつもり」と一歩も引かない構えだ。三度目の正直でＧ１の称号をつかみ取る。