【有馬記念】ヴィクトの逆襲!デムーロ「悲観していない」

[ 2011年12月21日 06:00 ]

大好きな焼肉をほおばりながら相棒ヴィクトワールピサとの有馬記念連覇に向けて英気を養うデムーロ

 「第56回有馬記念」で連覇を目指すヴィクトワールピサの手綱をとるM・デムーロ騎手(32)がスポニチ本紙の独占取材に応じた。「焼き肉が大好き」とタンは塩とレモンで、ロースはタレで頬張りながら“おいしい接待”にノックアウト。「No・1ホース」と信頼する愛馬への熱き思いと、レースへの秘策をたっぷりと語った。また、この日陣営は「負ければ引退も…」という背水の陣を敷いたコメントを出して、こん身の仕上げでの逆襲を誓った。

 ――有馬記念の認識は。

 ベリースペシャルなレースだと理解している。具体的にいうとファンの歓声が凄い。スタート地点でファンファーレが鳴った時。1周目のホームストレッチを通過する時。どちらも信じられないくらいでファンの熱気が伝わってくるよ

 ――その有馬記念を昨年は勝っている。

 ダービー(ネオユニヴァース)、ジャパンC(スクリーンヒーロー)を勝った時と同じくらい昨年は興奮した

 ――道中、まくるようにポジションを上げたがあれは作戦だったのか。

 そうだよ。あの時はブエナビスタを意識していたんだ。(社台ファームの総帥)吉田照哉さんや、角居調教師らがいいアドバイスをくれた。ラストの脚が切れるブエナビスタが相手なら早めに動いた方がいいんじゃないか、という結論に達したんだ。ヴィクトワールピサは距離や最後の坂を疑問視されていたけど、よくしのいでくれたね

 ――同じ戦法でドバイワールドカップも勝っている。

 有馬記念をイメージして乗ったんだ。メイダン競馬場はとても長い直線だったけど、最後の最後まで競り合いながらゴールできた。一つ言えることは、ヴィクトワールピサは逃げている馬がスローペースなら、早めに接近して鼻面を合わせるほうが闘志が湧くんだろうね

 ――ジャパンCの敗戦は有馬記念に向けて暗い影を落とさないか? 

 レース直後は残念な気持ちだった。でも、家に帰ってからVTRを20回もチェックしたんだけど着順ほど悪い内容ではなかったことも分かった。だから悲観していない

 ――昨年の有馬記念の1~7着馬までが今年も参戦する。ここに新たにオルフェーヴルが加わっている。

 オルフェーヴルは強くなったんだね。3冠馬なんだろ。きさらぎ賞の時にボクはトーセンラーでオルフェーヴルに勝っているけど、その時と今では違うよね

 ――ヴィクトワールピサの優れているところはどこか?

 こんなに素晴らしい馬はいない。だってボクがやろうとしていることや、考えを理解してくれているんだ。有馬記念やドバイワールドカップのレース内容がそうだろ?あとはボクと一緒で勝ちたい!という意欲が旺盛なのもセールスポイントだね

 ◆ミルコ・デムーロ 1979年1月11日、イタリア生まれの32歳。99年に初来日し、03年にはネオユニヴァースとのコンビで皐月賞、ダービーの2冠を制覇。JRA・G16勝。通算で289勝を挙げている。

 ☆家族構成 妻マルティーナ(22)、長女ルクレッツィア(3)、次女レティーツィア(1)

 ☆競馬一家 父(ジョワンニバティスタ)は元騎手。弟(クリスチャン)は騎手で来年1月にJRAで騎乗する。妹(パメラ)は調教師の資格を持っている。

 ☆尊敬する騎手 同じイタリア人のフランキー・デットーリ。

 ☆クリスチャン 「子供の頃から神様に祈っている」と語り、尊敬と感謝の気持ちは常に抱いているという。最近は「世界No・1のジョッキーにさせてくださいと祈っている」そうだ。

続きを表示

この記事のフォト

2011年12月21日のニュース