【天皇賞・秋】ブエナ遅れても大丈V!松田博師「心配ない」

[ 2011年10月27日 06:00 ]

<天皇賞・秋>CWコースで追い切ったブエナビスタ(左)は併走馬のラフォルジュルネに遅れをとる

 連覇へ抜かりなし。「第144回天皇賞・秋」の最終追い。昨年の覇者ブエナビスタは併せ馬で遅れたが、ラスト1F(200メートル)の伸びは文句なし。宝塚記念(2着)以来の出走でも仕上げは順調。自慢の末脚を余すことなく発揮できれば、シンボリクリスエス(02、03年)以来となる史上2頭目の連覇が見えてくる。なお、天皇賞の枠順は27日に確定する。

 ブエナビスタが遅れた。スタンドの注目を一身に集めたCWコースの併せ馬。道中はパートナーのラフォルジュルネ(4歳1600万)を悠々と追走していく。3コーナー手前で1馬身ほど後ろに下げ、スムーズにコーナリング。直線を向いてエンジン全開のはずだったが…。なかなか前との差は詰まらず約2馬身遅れでフィニッシュした。

 “大丈夫か!?”周囲の不安をよそに、松田博師はいつも通り余裕の表情で切り出した。「相手が走りすぎたのかもしらんな。調教については全く心配していない」

 併せ馬の相手は現在、準オープンに在籍しているが、春に3連勝して重賞でも1番人気に推された素質馬。「年々、調教では動かなくなっている」(松田博師)というブエナビスタは、この中間、山ほど調教を積んでも馬体が絞れてこないのが悩みの種。直前にあえて走る相手と併せ、しっかり負荷をかけたというのが真相だ。

 ラスト1Fは11秒8。春のG1・2走の直前追いでは12秒を切れなかった。それを思えば春よりも状態面は上と判断できる。この馬本来の末脚の切れ、反応は少しも鈍ってはいない。追い切り後に「やっぱり太いことは太い」と明かした松田博師だが、深刻さは皆無。「馬が賢いから体をつくってくる。今回はさすがに増えているな、と思っていてもレースでは普通になっているんだ」。象徴的なのが昨年のこのレース。かなり肉付きが良く「10キロ以上増えているかも」と見ていたが、フタを開けてみればマイナス4キロ。レースも完勝だった。

 昨年の秋は東京競馬場で天国と地獄を味わった。天皇賞・秋に続きジャパンCも完勝のはずが、1着で入線しながらまさかの2着降着。「一度ケチがつくと…」と師が嘆いた通り、その後はドバイ遠征の8着大敗を含め5連敗中。“最強馬”が勝てなくなった。

 勝ち癖をつけるためにも【3200】と最も得意にする東京は最適の舞台。「天皇賞、そしてジャパンC。あきれるほど強かった」(松田博師)。牝馬で初の天皇賞連覇を果たし、ジャパンC→有馬記念へ。来春で引退、繁殖入りが既定路線だけにこの秋こそは一戦も落とさずに走り抜ける。

 ≪V2クリスエスだけ≫天皇賞・秋連覇を狙った馬は7頭で、連覇を達成したのは03年のシンボリクリスエス1頭だけ。7頭中5頭が1番人気に推されていたが、結果を残せなかった。なお、シンボリクリスエスが勝った02年の天皇賞・秋は東京ではなく中山競馬場で行われており、ブエナビスタには初の東京競馬場での天皇賞・秋連覇の記録がかかる。

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2011年10月27日のニュース