【菊花賞】ラー抜群12秒1!蛯名「非常に良かった」

[ 2011年10月20日 06:00 ]

<菊花賞>ネオヴァンドーム(手前)と併せ追い切るトーセンラー

 トーセンラーは蛯名を背にCWコースへ。ネオヴァンドーム(4歳オープン)を2馬身追走して道中は絶好の手応え。徐々に差を詰め、直線は馬体を併せての追い比べだ。そこで軽く仕掛けるとグンと加速。1F12秒1としっかり伸びて、併入でゴールを駆け抜けた。蛯名の感触がいい。

 「馬の後ろで折り合いをつけながら、反応は非常に良かったですよ。休み明けを1回使ってかなり気持ちが入ってきましたね」

 美浦から駆けつけた鞍上は状態の良さを確認。藤原英師も「見た目に理想的な追い切り。ジョッキーの感触も前走より良かった」と納得の表情でうなずいた。

 春は厳しい戦いを強いられた。「能力はありながらも運がなかった」と蛯名。鞍上の言葉が全てを物語っている。きさらぎ賞を制した後は皐月賞(7着)に照準を合わせたものの3月11日、大震災が発生。放牧先の宮城県・山元トレセン付近の道路が寸断され、帰厩がズレ込んだ。続くダービーは不良馬場に泣いて11着。力を出し切ることなく、春2冠の幕は閉じた。

 ダービー後は放牧でひと息入れ、まだ梅雨が明けて間もない7月20日に帰厩。真夏の栗東で黙々と乗り込みを重ねてきた。前走・セントライト記念は2着。勝ってG1につなげることはできなかったが藤原英師は前走をこう評価している。

 「結果が欲しかったけど成長は感じられた。筋肉とか骨格がしっかりしてきたね。もともと稽古でも坂路だと動きにくいから坂のない京都の方がいい」

 資質はオルフェーヴル、ウインバリアシオンを退けたきさらぎ賞Vの実績が示す通り。待望の京都で能力全開ムードだ。

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