【安田記念】シルポート逃げる!軽く52秒0

[ 2011年6月2日 06:00 ]

小牧騎手を背に坂路で追い切るシルポート

 逃げるシルポートに対して、ジョーカプチーノがどう出るか。後ろからつついてプレッシャーをかけるのか、それとも2番手でじっとしているのか。

 「逃げ馬なんで目標にされるのは当たり前。それをしのいでくれれば」と小牧の腹は、逃げあるのみ!で決まっている。一方の福永は「前走は相手のリズムに合わせた走り。今回はジョーカプチーノのリズムで行く」と意味深な発言。鍵を握る2頭の攻防から目が離せない。

 シルポートの最終追いはいつも通り坂路コース。4F52秒0で軽快に坂を駆け上がった。小牧は一度は腰からステッキを抜いたものの、馬の視界に入れるだけにとどめてフィニッシュ。「いつもと変わらない。いつもと同じなのが一番いい」とシンプルに感触を伝えた。

 昨年末のファイナルSからコンビ結成。以降、不思議なことにマイペースの逃げが多く、1月のスポニチ賞京都金杯と4月のマイラーズCの両重賞はいわゆるタメ逃げが勝因だった。唯一、競られた東京新聞杯(6着)では崩れたが、総じてこのコンビには運も味方している。西園師も「ガチッとハミをかけてハイペースで逃げる小牧騎手の騎乗はこの馬に合っている」と評価している。

 先週のダービーが示すように東京コースは降雨の影響で内ラチ沿いの芝の傷みが目立っている。「逃げ馬なんで外を回るわけにはいかないから…」と浮かぬ顔を見せた小牧だったが、過去の戦いぶりを聞いて今度は一転の笑みだ。あのロジユニヴァースがダービーを勝った当日、不良馬場の準オープン・むらさき賞で首差2着に逃げ粘った実績を持つ。「あ、やっぱり?重戦車みたいな走りでダートでも通用しそうやからね」。もとから戦法に迷いはない。ただ、ひたむきにゴールを目指して逃げるだけだ。

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2011年6月2日のニュース