【安田記念】アパパネ軽快仕上げ!馬なり12秒3 

[ 2011年6月2日 06:00 ]

ジェイズバニヤン(左)と併せて坂路で追い切るアパパネ

 春のマイル王決定戦・安田記念。注目度No・1は唯一の牝馬の参戦となるアパパネだ。最終追い切りでも軽快な動きを披露。前走で年度代表馬ブエナビスタを撃破。今回は牡馬を倒して史上最速でG1・6勝目を挙げる。安田記念は2日に出走馬18頭が決まり、枠順は3日に確定する。

 前走・ヴィクトリアマイルの最終追い切りに続き、今回もアパパネの背中には蛯名騎手の姿があった。坂路1本目を800メートル67秒9で軽く流してから、臨んだ2本目。ジェイズバニヤン(5歳500万)の2馬身後方をゆったりと追走する。

 最初の200メートルを13秒9で入り、呼吸を確かめながら徐々にペースアップ。12秒5、12秒3と馬なりのままで軽快なラップを刻んでいく。しまいだけ気合をつけられると、瞬時に反応して僚馬を半馬身抜き去った。時計は全体で51秒0~12秒3をマークした。

 蛯名は「中2週だしそんなにやる必要はない。反応を見る程度だったが、前走と同じぐらいの感じかな。賢い馬でレースが近づくと自分で体をつくるし、息を整える程度で十分」と話した。

 ヴィクトリアマイルの追い切り時には「迫力とか凄みとか、伝わってくるものが少し物足りない気がする」と語っていた。今回もその感触に変わりはなかったが「迫力がないわけじゃないんだ。この馬に関しては求めるものが大きいからね。もう少しと、思うところはあっても前走ではしっかり走っている。だてに今まで勝ってきていないし、自分が信じなければ」とあらためて決意を語った。

 国枝師は納得の仕上げで送り出す。「これといって変わったところもなく順調。中2週だし鍛えるよりはコンディションを維持できれば、と思っていた。懸念材料はないし何も心配していないよ」と鞍上に託した。

 デビューから12戦連続で手綱を取る鞍上は「相手は強いが、年度代表馬のブエナビスタを負かせたし、自分自身もさらに彼女を信じることができる。これまでも、相手が強くなる度にチャレンジしてクリアしてくれている。自分たちがしっかりやれば、応えてくれると信じて乗るしかない。今回もやってくれると思っているよ」とパートナーに全幅の信頼を寄せた。

 このレースを勝てば、G1・7勝馬シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカに次ぐ6勝目となるが4歳春での到達は史上最速。初めて牡馬相手のG1を制して、最強牝馬から最強馬へとさらに前進する。

 ≪Vなら一気にトップ10入り≫アパパネは現在、5億2602万8000円の賞金を獲得し、牝馬のJRA獲得賞金ランキングで13位につけている。安田記念Vなら1着賞金1億円+付加賞金が加算され、一気にトップ10入りを果たす。なお牝馬のランキング1位は、G1・7勝馬のウオッカ。現役のブエナビスタが2位で続いている。

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2011年6月2日のニュース