【安田記念】ヨーヨー叩き良化!盤石の出来

[ 2011年6月2日 06:00 ]

追い切りで動き良好のダノンヨーヨー

 春のマイル王決定戦・安田記念の最終追いが1日、栗東、美浦両トレセンで行われた。春のG1で7勝2敗と圧倒する関西勢。昨秋マイルCS2着の実力馬ダノンヨーヨーは坂路でパワフルな動き。今年2戦を叩き、悲願G1制覇へ盤石の出来だ。3頭出し敢行の西園厩舎勢では、近況好調のシルポートが主戦・小牧を背に高レベルで好調キープの走り。自慢の逃げ脚を武器に初戴冠の期待が膨らんでいる。

 力強いフットワークで進路を切り開いた。ダノンヨーヨーの追い切りは開門から数分たって、ちょうど他厩舎の調教と重なる時間帯。ラスト1F、ゴーサインを送る場面では前が密集して壁になっていた。それでも、そこからが素早い。サッと進路を変更、空いたスペースを突くとグンと加速。雨で重くなった馬場にもかかわらず、4F52秒5~1F12秒9としっかり伸びてきた。稽古をつけた生野助手が絶好の感触を伝える。

 「一瞬、前が壁になったけど肩ムチを入れたらスッと反応してくれた。前走も走れる状態にはあったけど休み明けの分、まだ物足りない部分があった。それに比べれば今回の方がかなりいい」

 休み明けは過去5戦で2勝、2着1回、3着1回。鉄砲実績はあっても本質的には叩き良化型だと陣営は断言している。前走・マイラーズCの追い切り後は「悪くはないけど間が空いている分がどうか」と生野助手は半信半疑の口ぶりだった。その結果がシルポート、クレバートウショウをかわせずに3着。あの敗戦をステップに、生野助手は1度使った効果をはっきり感じ取っている。「前走は追い切りでも押していかないと進んで行かなかったけど、けさは自分からスッとハミを取って動いてくれた。2走目で馬がやる気になっているね」

 ひと叩きしてイメージ通りに上昇カーブを描き、完全にスイッチが入った。稽古を見届けた音無師も「先週、今週とこの馬本来の動き。時計うんぬんではなくキビキビしているのがいいね。動ける状態に仕上がっているよ」と断言した。

 昨秋のマイルCSでは首差2着とあと一歩届かず涙をのんだ。デビュー14戦でマイル以外の距離に使ったのはわずかに1度だけ。この道ひと筋に懸ける生粋のマイラーが狙い澄ましたこの大舞台に照準を合わせている。

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2011年6月2日のニュース