【阪神大賞典】9歳トリック連覇へ衰えなし

[ 2011年3月17日 06:00 ]

阪神大賞典 坂路、トウカイトリック(右)はスナークツバサ(手前)と追い切る

 生粋のステイヤーが今年もここに照準を合わせてきた。阪神大賞典連覇を狙うトウカイトリックはスナークツバサ(5歳1000万)との併せ馬で最終追い切りを消化。スタート地点で3馬身ほど先行した僚馬との差を徐々に詰めていくと、併入ゴールへ。

 先週の坂路併走で4F52秒1~1F12秒8の好タイムを刻んでおり、あえて速い時計を封印。4F53秒5~1F13秒3は派手な数字ではなくても、この馬らしい素軽い動きが仕上がりの良さを物語っている。野中師が納得の表情で切り出した。

 「先週の段階で仕上げているし、疲労を残さないような内容。予定通りやれたよ。馬場が悪かったみたいだし、この時計なら動けている方じゃないかな」

 昨秋のオーストラリア遠征を経て帰国初戦の前走・万葉S(1月5日、京都)が9着。得意条件にもかかわらず見せ場すらつくれなかった。軌道修正するべく野中師は当初の予定を変更。前走後の2カ月半はここ一本に絞って調整してきた。「前走はやっぱり遠征の疲れがあったんだろうね。それでダイヤモンドSに使うのをやめて、疲労回復に努めてきた。調子は上がってきているし状態に関して特に言うことはないよ」

 あのディープインパクトと同世代にあたる9歳馬。息の長い現役生活を続け、重賞2勝を含めてオープンで4勝と結果も出してきた。年を重ねても老け込んだ印象は一切なし。「前走は結果を出せなかったけど9歳でも衰えた感じはしないよ。距離は合っているし普通に仕上げてやれば大崩れはないと思う」と野中師は連覇への期待を口にする。

 この路線で積み重ねてきた経験と豊富なスタミナは大きな武器。バテない強みを生かし、しぶとく粘り強くゴールを目指していく。

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2011年3月17日のニュース