【天皇賞・秋】オウケンサクラ悪天候で“波乱”咲き

[ 2010年10月29日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・栗東=28日】このところ栗東の木曜朝はほとんど雨。馬が驚くといけないので傘はご法度。先日買った防水フード付きジャケットでも雨脚が強いとしみてくる。徒歩で坂路へ。2階の調教師席に入るとホッとする。オウケンサクラの見事なボディーは確認済み。稽古の動きも相変わらずいいが、伝統の古馬頂上決戦に3歳牝馬は常識的にはそぐわない。予想印を回す記者は井上以外にいるだろうか。当の音無師もリラックス口調だった。

 「今のこと、メモってる人はおらんやろね」この秋2戦が8着→11着では…。7~8人の記者で井上だけ「メモってますよ」と答えた。音無師にノートを見せてこう付け加えた。「私の座標軸はずれていますから」。トレーナーは破顔一笑、イスから転げ落ちそうになった。そんな空気の中でまじめな質問はしにくい。リーディングトレーナーの仕事がひと段落するまで1時間以上待った。
 「牝馬はいつ走るか分からない。ダンスインザムードとか3歳牝馬が54キロの重量で走っているしね。競馬はやってみないと分からんよ。力を持ってるのにこの2戦は空回り。あとは天の味方も必要かな。この馬は道悪をこなすから」04年の桜花賞馬ダンスインザムードは秋に天皇賞に挑み、13番人気2着。翌年は13番人気3着に好走した。ちなみにオウケンサクラは桜花賞でアパパネに0秒1差の銀メダル。「春は押せ押せのローテーションだったが、むしろ成績は良かった」と師。今回は秋華賞11着から中1週。戴冠期待は酷でも台風影響の道悪競馬なら2、3着はある。

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2010年10月29日のニュース