【セントライト記念】ヤマニンエルブ、菊へ一直線!

[ 2010年9月15日 06:00 ]

夏の上がり馬ヤマニンエルブ

 菊花賞トライアル(3着まで優先出走権)のセントライト記念は「夏の上がり馬」が躍動するレース。酷暑を戦い抜いた生命力の強さで秋の重賞戦線を制するか。西から3連勝中のヤマニンエルブ、東からは2連勝中フェイルノートが秋の下克上を狙って牙を研いでいる。

 今が旬の“夏の上がり馬”。とりわけ暑かった今年の夏、ヤマニンエルブは元祖・夏の上がり馬アカネテンリュウを思い起こさせるような急激な上昇度だ。
 昨年11月にデビューして6戦未勝利。ところが5月の東京で逃げて未勝利を卒業すると、7月福島で500万を頭差勝ち。8月新潟1000万は昇級にもかかわらず1秒1差のぶっちぎりだった。「古馬の1000万級を相手にあれだけの走りをしてくれるとはね」と鹿屋助手が驚きをまじえて振り返る。「デビュー当初は線が細くて走るフォームもイマイチ。気持ちは前向きでも体がついていかなかった」
 華やかなクラシック路線とは無縁の裏街道を歩まざるを得なかったが、その後はサッカーボーイ産駒らしい上昇の軌跡をたどる。かつてヒシミラクルが10戦目に未勝利勝ち、秋に菊花賞を制したように。あるいはティコティコタックが5戦目で初勝利を挙げ、秋華賞まで上り詰めた例もある。
 「夏がいいのか、逃げる形が良かったのか、結果としてそうなったのか。いずれにしても力をつけて、たくましさも出てきた。フォームにも今は無駄がない」
 夏、急成長、サッカーボーイ。競馬ファンのノスタルジーを誘うキーワードが並ぶ目の離せない存在だ。鹿屋助手が期待感をにじませて語る。「重賞で相手は一気に強くなるからね。ここが試金石になる。でも、チャンスはあると思うよ」
 酷暑の余韻が菊の季節まで届くか。菊花賞トライアル・セントライト記念が、夏の上がり馬ヤマニンエルブの真価を問うレースとなる。

 ≪アカネテンリュウは7戦目で初勝利≫アカネテンリュウは69年の菊花賞馬。未勝利を勝つまで7戦を要し、春は下級条件馬だったが、夏に本格化。セントライト記念を制し、京都杯2着を挟んで菊花賞を4馬身差で圧勝した。また、近年のセントライト記念は前走で条件クラスに出走していた馬の活躍が目立つ。06年は前走500万下のトーセンシャナオー、ミストラルクルーズが1、3着。ヤマニンエルブが制した阿賀野川特別(1000万)からは一昨年の勝ち馬ダイワワイルドボア、昨年3着で菊花賞2着のフォゲッタブルがいる。

続きを表示

2010年9月15日のニュース