不況影響でも存在感…ディープ産駒6600万円

[ 2010年7月13日 06:00 ]

6600万円で落札された「アイルドフランスの2009」

 「セレクトセール2010」(日本競走馬協会主催)が12日、北海道・苫小牧のノーザンホースパークで開幕。初日は1歳馬セリが行われたが、序盤から停滞ムード。最高価格は金子真人氏が落札したディープインパクト産駒「アイルドフランスの2009」の6600万円(税抜き)。セリ初日の最高価格が1億円に達しなかったのは、1歳セリが本格的に開始された06年以降で初めて。不況の波が日本最大の競走馬セールも直撃した形だ。それでも6000万円を超えた3頭のうち2頭はディープインパクト産駒で存在感を見せつけた。

 アドマイヤ軍団を率いる近藤利一氏は「ビーポジティブの2009」(父クロフネ、6000万円)など6頭を購入。「2年前なら確実に億の馬だから、安く買えたのはうれしい」と話したが「競馬界全体のことを考えると、喜んでばかりもいられない」と厳しい表情。「このクラスの馬がこの値段では、むなしさすら覚える。今後に続くセリにも影響するのではと心配している」とした。一方で、低価格を反映して落札率は過去最高の80・8%(上場214頭中173頭落札)。日本競走馬協会副会長の吉田照哉氏は「飛び抜けた価格は出なかったが、適度な価格で活発に競られていた。景気を考えれば満足している」と評した。13日は当歳セリが行われる。

 ◆セレクトセール 日本競走馬協会が主催する日本最大のセリ市。セレクトの名称は主催者が競走馬を選別(セレクト)することに由来。98年スタート。99年以降に中断されていた1歳馬のセリは05年に再開。最高落札額はディナシー(セリ落札時の血統名=トゥザヴィクトリーの2006)の6億円。セール出身馬にはディープインパクト(購買価格7000万円)、キングカメハメハ(7800万円)、ゼンノロブロイ(9000万円)など多くのG1馬がいる。

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2010年7月13日のニュース