【アイビスSD】カノヤザクラ、今年も主役よ

[ 2010年7月13日 06:00 ]

アイビスSD、3連覇を狙うカノヤザクラ

 待ちに待った“夏”がやって来た。今週から本格的なサマー競馬がスタートする。夏の新潟開催、開幕を飾るのは直線芝1000メートルの電撃戦「第10回アイビスサマーダッシュ」だ。主役はもちろん、同レース3連覇を狙うカノヤザクラ。CBC賞をひと叩きされ、本領発揮の時を迎えた。

 もはや指定席と言っていい。カノヤザクラはサマースプリントシリーズ2連覇中。確固たる地位を築きつつある夏のスプリント女王が今年も主役の座を譲らない。橋口師は“初戦”の重要性をこう説いた。「このレースで2連勝していることが大きいね。今年も勝てば文句なしだけど、上位に来れば十分チャンスはあるから」
 シリーズ3連覇に向けてここが最も大事なレースと位置付けている。過去2年はいずれも完勝しており、直線競馬への適性の高さについてかなりの自信を持っているようだ。「大型馬だしコーナーがない方がいいのかな。直線ヨーイドンの方がいいだろうね。フットワークも大きいし前にいくこともできるから。この時季にこのレースがあるのも大きいよ」
 暑くなれば新陳代謝が良くなり、毛ヅヤが良化、馬体にも張りが出る。「夏はツルツルだけど冬になると冬毛がすぐ出る。まるで別馬だね」と師は語る。さらに気持ちの入り方にも変化が表れているという。CBC賞の最終追い切りでは首を激しく振って集中力を欠くシーンが目についたが、前走後はそういった気難しさを見せていない。「この前は体よりも気持ちの方が物足りなかった。今回はスムーズに動けているし、いい精神状態だと思う」
 そのCBC賞では見せ場なしの10着に終わったが、巻き返せるだけの手応えは得ている。「体調面では全く心配していない。まだ6歳だし衰えは見られない。昨年と比べても変わらない。夏を目標にしてきたから」と橋口師は強い意気込みを口にした。泰然自若。ディフェンディングチャンピオンとして強さを示すだけ。3連覇の金字塔に向け、絶好のスタートダッシュを決める。

 ◆カノヤザクラの連覇
 ▼08年 1番人気に推されたエイムアットビップが果敢に飛ばしていったが16着に失速。絶好の大外18番枠で2番人気。好位5番手で流れに乗り、鋭い伸びで2着シンボリグランに半馬身差。
 ▼09年 前年に続き外の17番枠の幸運も3番人気。道悪で各馬が馬場のいい外ラチへ殺到するが、悠々と2番手をキープ。楽に抜け出した。1馬身半差の2着は大外18番アポロドルチェが追い込んだ。1番人気エイシンタイガーは5着。

 ◆サマーシリーズ 「サマー2000シリーズ」と芝1000、1200メートルの重賞で争う「サマースプリントシリーズ」の2部門。スプリントの対象重賞は別表の5レース。G3は1着10点、2着5点、3着4点、4着3点、5着2点、6着以下1点。G2は1着12点、2着6点、3着5点、4着4点、5着3点、6着以下1点。獲得ポイント合計が13点以上&1勝以上した馬が優勝。褒賞金として優勝馬の馬主に4000万円、厩舎関係者に1000万円が贈られる。

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2010年7月13日のニュース