【マイルＣＳ】引退カンパニー究極のド迫力仕上げ！

＜マイルＣＳ追い切り＞８歳馬ながら坂路で好タイムを叩き出したカンパニー

　秋の最強マイラーを決定する「第２６回マイルＣＳ」の追い切りが１８日、美浦、栗東トレセンで一斉に行われた。前走の天皇賞・秋でＧ１のタイトルをつかみ、このレースで引退となるカンパニーが坂路で躍動、充実ぶりを見せつけた。

　ラストランに向けて気迫の最終追いだ。開門直後の坂路で乗り出したカンパニー。しまい重点の調教で最初の１Ｆを１３秒５で入ると、すぐにギアを入れ替えトップスピードに。１２秒９～１２秒６のラップで続くとラスト１Ｆも１２秒８でしっかり伸びた。騎乗した生野（レースは横山典）も充実ぶりに目を細める。「時計は良かったです。最後追い出すときにハミをかけてグッと沈むところがある。天皇賞のときが一番いい状態だと思えたけど今回もそれをキープした感じ。まだまだ走れそうですけどね」
　今年の秋は２戦２勝。それもウオッカをねじ伏せた２勝だから価値が高い。８歳馬でありながら、今がピークと思わせる出来。音無師は夏の過ごし方がポイントだったと言う。「去年の今頃は馬体がガレて併せ馬もできなかった。それでも天皇賞でタイム差なしの４着だから能力は相当なもの。今年はグリーンウッドでの調整がうまくいって輸送でも馬体が減らなかった」
　今回も中２週のローテ。毎日王冠から天皇賞・秋までと同様に１週前に坂路で５５～５６秒台を刻み、最終追いはビシッと。自身のリズムができており、仕上がりに抜かりはない。音無師は自信を見せながら、あえて不安点も挙げた。「ここ２、３日は寒くて冬毛が出てきている。見栄えではそこが気になるかな。あとマイルで速い流れになったときにどうか」。確かにベスト距離は６勝をあげている１８００メートル。だが、２０００メートルの天皇賞・秋でも上がり最速タイの３２秒９の末脚で伸びてきた。重賞勝ちを含む３勝を挙げている１６００メートルなら十分対応できる。
　「やや重、重馬場ぐらいだったら大丈夫。有終の美を飾らせてあげたい」。ここまで堅実に実績を残してきた驚異の８歳馬。すべては最高のフィナーレを飾らせるため。陣営の意気込みは相当なものだ。