【マイルCS】アブソリュート完熟ラン12秒5

[ 2009年11月19日 06:00 ]

<マイルCS追い切り>ゲームコンセプト(右)、ポケッタブルゲーム(中)と併せて坂路で追い切るアブソリュート

 18日に行われた「第26回マイルCS」追い切り。美浦組では前哨戦の富士Sを勝って勢いに乗るアブソリュートが、意図のある抑え気味の調教で万全の仕上がりをアピールした。

 泰然自若。大舞台を前にしてもアブソリュートは舞い上がることなく静に徹した。坂路2本目。前を行く僚馬ゲームコンセプト(3歳500万)、ポケッタブルゲーム(4歳同)を無理に抜こうとせず、田中勝は手綱を抑えたまま。4F52秒1~1F12秒5。馬の行く気に任せ、2頭に接近したところがゴールだった。先着した方が見栄えがいいのは“外野”の欲目というもの。宗像師の穏やかな笑顔を見れば納得だ。「時計を出そうと思えば出るんですけど。先週あたりの動きも良かったので、きょうはサラッと負荷をかけず、状態の維持に努めた。前2頭を追う形でうまくコントロールしてくれたね」
 秋初戦の前走・富士Sは鮮やかだった。春減った体は回復し馬群を縫って2度目の重賞V。デビューから15戦、すべて手綱を取ってきた田中勝は「富士Sは体調も良かったし、やれると思っていた。変わらず順調だね。(初めての)京都は特に気にならないし道悪にも実績があるから心配してない」と信頼を寄せる。
 新馬、500万連勝後、体質の弱さを考慮して放牧に出た3歳時の姿は昔話。じっくり休養を挟み、5歳秋にして完成期を迎えた。「今春は少しきついローテーションになったが、3歳時から無理しなかったのが良かったと思う。体も470キロ前後を維持できれば。輸送もだいぶ経験したし、GI経験も積んだ。やれるんじゃないか」。指揮官は確かな手応えを得ている。
 カッチー、宗像師、馬主の薗部博之氏といえば、重賞7勝を挙げたバランスオブゲームと同じコンビ。カッチーの思いは熱い。「状態は凄くいいし、やれる手応えはある。先週、関東馬(クィーンスプマンテ)が勝ったので続きたいね」。好漢カッチーは関東への追い風に乗る腹積もりだ。

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2009年11月19日のニュース