【マイルCS】エリ女的中記者が波乱の逃げ馬キャッチ

[ 2009年11月19日 07:10 ]

 【G1ドキュメント=美浦18日】マイルCS登録段階で出走馬決定順位は絶望的な24位だったマイネルファルケ。関西馬の相次ぐ回避で初のG1出走の機会が巡ってきた。最終追いは坂路からWコースへ。単走でゆったりと駆け出した。最後まで手綱は持ったまま。530キロ台の巨漢を揺らし、迫力満点の動きを披露した。5F69秒1~1F12秒9。スタンドで動きを見届けた寺下はすぐに萱野師を追った。3階から一気に階段を下りたので、息も絶え絶えだ。

 萱野師は満足げに切り出した。「時計はそれほど速くなかったが、年齢とともにズブくなってきたから。先週併せ馬でしっかりやったし、きょうは疲れが残らないようにと思った。予定通りの調教ができた」。寺下が体調以上に聞きたかったのは作戦だ。死ぬ気で行く覚悟か?指揮官は目を光らせた。
 「近走は外枠に入ることが多くて、内枠の馬に先手を奪われてね。2番手でも競馬はできる馬だが、逃げた時しか結果は残ってないからなあ…」
 ひとしきり思案を巡らすと師はあらためて出走馬の脚質を研究し始めた。どう見ても、何が何でも…の逃げ馬は見当たらない。「じゃあ、行っちゃおう!」と堂々の逃げ宣言。先週のエリザベス女王杯は行った行ったで大波乱が起こったばかり。「エリザベスの“二番煎(せん)じ”になれば」と師はニヤリ。週末の雨予報も追い風だ。「上がり勝負になるときついから。時計は掛かった方がいい」。条件はそろった。エリザベス女王杯で3連単154万馬券を的中させた寺下は、今週も無欲のファルケが波乱を起こすのではと心を躍らせていた。

続きを表示

2009年11月19日のニュース