【ヴィクトリアM】武豊不惑の22年連続G1勝利

[ 2009年5月18日 06:00 ]

<ヴィクトリアM>ウォッカでレースを制した武豊騎手は笑顔で万歳

 「本当にホッとしています」。レース後、ファンを前に行われた勝利者インタビューで発した第一声に、武豊の気持ちが集約されていた。ドバイでの敗戦後、はっきりした要因がつかめないまま迎える国内初戦。それでも単勝オッズは1・7倍。ファンはウオッカの能力を信じ、鞍上も「過去最高の出来」と愛馬を信頼して見事に結果を出した。

 1番人気馬の惨敗が続いた春のG1戦線。競馬のステータスを高めた第一人者はレース前、自らの気持ちを引き締めるように「“当たらない”と競馬から離れていくファンが多いという状況は耳が痛い」と話していた。今週の土日はウオッカを含め、1番人気馬で4勝の固め打ち。誰よりもファンを愛し、ファンから愛される鞍上にとって格別の勝利だったに違いない。
 88年の初優勝(菊花賞=スーパークリーク)から22年連続でのG1制覇。競馬界きっての記録コレクターは、また新たな勲章を手に入れた。3月に40歳を迎えた。17日現在で47勝、全国リーディング2位をキープと天才の腕に衰えはない。ウオッカについても「牝馬という枠を超えた馬。まだまだ行けます」と自分に重ね合わせるように賛辞を送った。
 人気馬でG1に挑むことの重圧と責任を誰よりも知る武豊は、場内の「ありがとう」「おめでとう」の声援に晴れやかな表情で手を振った。天才の進化は止まらない。

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2009年5月18日のニュース