二つのステージを生きる──Sadie・剣 二刀流の現在地と「曲を作り続ける」その先にある未来

[ 2026年3月16日 20:30 ]

【画像・写真】「その日に鳴った音が、今の真実」──Sadie・剣が語る「Voyage」 もう一度舵を切る再出航
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 同じギターを手にしていても、立つステージが変われば鳴る音は変わる。5人組ロックバンド「Sadie」の再始動と並行し、「RAZOR」でも活動を続けるギタリスト・剣。二つのバンドを行き来する日々の中で、何を切り替え、何を変えずにいるのか。オンラインインタビューでその現在地を聞いた。(ヴィジュアル系特集取材班)

【Sadie特集】 独占ソロインタビュー

 音作りの違いについての答えは実に具体的だった。「まず弦の種類が違うんです。同じメーカーでもチューニングが違うので」。RAZORの方がより低い音域でアレンジを組むことが多く、そのわずかな差が、音の輪郭を大きく変えるという。

 機材の数値も微調整する。ただ、フレーズは「そもそも全然違う」。楽曲が違えば、選ぶ言葉も変わる。それは意識というより、必然に近い。

 難しいのは音そのものより、頭の中の切り替えだ。両バンドのスケジュールが交互に詰まるとモードの変換作業が追いつかなくなることもあるという。特別な方法があるわけではない。前日に休み、それぞれの弦を張り替え、フレーズを確認する。その地道な準備が、自然とスイッチになる。

 「地味な話ですけどね」。そう笑うが、その地味さこそが、二つの現場を支えている。

 Sadieの剣とRAZORの剣は違うのか。問いに対しては首を横に振る。「意図的に変えていることはないです」。ただ、ステージに立つメンバーが違えば、求められる役割も変わる。楽曲も、フロアの空気も、衣装も違う。その総体の中で見え方が変わるのだという。

 環境に応じて形は変わるが、芯は一本。二つのステージを生きるとは、二人になることではなく、同じ自分で立ち続けることなのかもしれない。

 多忙な日々の中で原動力は何か。少し間を置いて答えた。

 「休みはあまりないですね。家のことをする時間も減りますし、時間配分が難しいです」

 精神的に整っている時もあれば、そうでない時もある。気分が乗らない日は「あえて何もしない」と決めているという。無理に自分を追い込まない。「追い込みすぎると逃げ道がなくなる」。その距離感は、長く音楽と向き合ってきたからこそ身についたものだ。

 それでも背中を押してくれる存在がある。

 「やっぱりファンの応援ですね。SNSの返信やDM、ライブでの声。こんなにも応援してくれている人がいるんだと思うと、頑張ろうと思えます」

 そして何より、「ライブが楽しい」と言い切る。その一言に、揺るがない原点がにじむ。

 二刀流ギタリストとしての最終形を問うと、明確なゴールは示さなかった。「未来は本当にわからない」。だからこそ、今できることを積み重ねるしかないという。
「まずは曲を作ること。音楽人なので。いい曲ができれば、それだけで未来は変わると思う」

 大きな理想よりも、一曲。二つのステージを往復しながら、今日もギターを手にする。その積み重ねの先にどんな景色が待っているのかはまだ決めない。

 ただ、音を鳴らし続ける限り、道は途切れない。そう静かに語る姿が今の現在地を物語っていた。

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