【王将戦第5局】藤井王将 逆転で2勝目 自王挟撃の危機に自信の踏み込み

[ 2026年3月10日 05:00 ]

第75期王将戦第5局第2日 ( 2026年3月9日    栃木県大田原市 ホテル花月 )

カド番をしのぎ、次局へ望みを繋いだ藤井王将(撮影・西尾 大助、会津 智海、河野 光希、藤山 由理)
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 藤井聡太王将(23)=名人など6冠=に永瀬拓矢九段(33)が挑む第75期王将戦(特別協力・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)7番勝負第5局は9日、栃木県大田原市「ホテル花月」で2日目が指し継がれ、後手・藤井が88手で勝利した。7番勝負初のカド番をひとまず回避。対戦成績を2勝3敗とし、地元・名古屋将棋対局場で指される初のタイトル戦、18、19日の第6局以降へ決着を持ち越した。 

 最短の勝ちを目指す、藤井らしい踏み込みだった。68手目△8七歩成(第1図)。前手で▲8一飛成とされ、6二の自王は背後が寒い。2二銀との挟み撃ちにも遭うが考慮時間1分、決断よく踏み込んだ。

 「(先手に)何かあれば負け。それで勝負と思った」

 代えて△9九飛と打てば永瀬に▲7九桂と合駒請求できた。つまり相手の攻め駒をそぎ、自王の安全度を高めることができた。踏み込みへの確信があったからだろう。

 同時に、立会人の中村修九段(63)が言う「絶妙手」まで見据えた。74手目△4二飛の自陣飛車。「飛車を手放してしまうが、その後の攻めに期待しました」。藤井の5三王は竜、金に迫られ、打った飛車が壁にもなる。一方で詰めろを受け、銀獲りにもなって勝負あった。

 藤井は1勝3敗のカド番で迎え、19度目の2日制タイトル戦で初の敗退危機だった。7日の対局場検分後、「内容が良くないことが結果に出ている。精神的に良好と言えないところが正直ある」と語った。永瀬相手に王将戦第3、第4局、叡王戦本戦準決勝と3連敗。将棋を離れれば、自虐ネタを持ち味とする王者が見せた本音だった。
 
 5日の叡王戦を見守った師匠の杉本昌隆八段は「追い込まれても勝つのが真に強い棋士」と取材に答えた。過去74期の王将戦史上、1勝3敗になった棋士はのべ40人。そこから3連勝して逆転した例が3度あり大山康晴十五世名人が2度、米長邦雄永世棋聖が1度。いずれも永世称号を持つ大棋士で、その背中を追う戦いとなる。

 終盤の切れ味を取り戻し、第6局会場は名古屋将棋対局場。22年の開場以来初のタイトル戦で、愛知県瀬戸市出身の藤井にとっては凱旋対局となる。「もう一局指せる。精いっぱい頑張りたい」。静かに意気込みを語った。 (筒崎 嘉一)

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