「太陽にほえろ!」山さん役の露口茂さん 93歳で死去 渋いルックスと低音ボイスで絶大な人気

[ 2025年9月3日 04:30 ]

露口茂さん(1986年3月撮影)
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 刑事ドラマ「太陽にほえろ!」(日本テレビ)の「山さん」こと山村精一警部補役で知られた俳優の露口茂(つゆぐち・しげる)さんが、4月28日に老衰で死去していたことが2日、分かった。93歳。松山市出身。葬儀は近親者で行った。アニメ映画「耳をすませば」のバロン役、海外ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」シリーズの主人公ホームズ役など、声優としても活躍。1990年代中盤以降は表舞台から遠ざかっていた。

 主婦層に絶大な人気を誇った“永遠のナイスミドル”が静かに逝った。関係者によると、今年5月に「太陽にほえろ!」のプロデューサーだった岡田晋吉氏の元に、露口さんの娘から訃報を知らせる手紙が届いた。それを岡田氏が、7月に行われた「太陽にほえろ!」の同窓会で参加者に伝えたという。出席していた俳優の金田賢一(64)は本紙の取材に「ずいぶん(出演者が)あの世に行っちゃって。参加者で“あの世でにぎやかにやっているかな”と話した」と明かした。同窓会には竜雷太(85)、小野寺昭(81)、神田正輝(74)らが参加した。

 現役時代からプライベートについて一切明かさなかった露口さん。連絡先を知る人は少なく、関係者によると、晩年は俳優の仕事はしておらず、都内の自宅で過ごしていた。岡田氏も「ここ最近はあまり会えていなかった」と話しているという。それでも20年ほど前には、岡田氏が理事を務めていた財団に露口さんが訪れることもあり、関係者は「低い声で静かに言葉を選んでお話しする。吹き替えをされていたホームズの話をしたらうれしそうに応じてくれました」と話した。

 露口さんは戦時中に両親の故郷である松山市に疎開。愛媛大学に通いながらNHK松山放送劇団のメンバーとしてラジオドラマなどに出演した。大学を2年で中退し、1955年に俳優座演劇研究所付属俳優養成所に入所。59年に「逃亡者」「女子大生 私は勝負する」で映画デビュー。今村昌平監督の「赤い殺意」(64年)や山田洋次監督(93)の「霧の旗」(65年)では、あくの強い個性派俳優として評判を呼んだ。

 代表作はなんといっても72年7月スタートの「太陽にほえろ!」。石原裕次郎さん演じる「ボス」を支えるNo・2で、推理力と洞察力に秀でた取り調べの名手「落としの山さん」役。86年4月に殉職するまで13年9カ月、主要な登場人物では最多となる691話にわたり出演。露口さんの渋いルックスと低く響く声も相まって、主婦層を中心に絶大な人気を誇った。番組に寄せられるファンレターの数は常に1位か2位。石原さんも「“太陽”になくてはならない男」と評した。

 殉職シーンでは乱闘の末に銃で撃たれ、傷つきながらも公衆電話から警察署と息子に最後の連絡。家に帰ろうとするも途中で力尽きる場面は、多くのファンの涙を誘った。

 声優としても活躍し、ホームズ役などを担当。94年のテレビ朝日「森村誠一の終着駅シリーズ」に主演したのが映像に残る最後で、95年の「耳をすませば」が最後の出演作となった。

 露口 茂(つゆぐち・しげる)1932年(昭7)4月8日生まれ、松山市出身。俳優座養成所時代の同期は田中邦衛さん、藤岡重慶さんら。66年、映画「女のみづうみ」「四畳半物語 娼婦しの」でホワイト・ブロンズ賞助演男優賞を受賞した。

【視聴率40% 刑事ドラマの金字塔】
 「太陽にほえろ!」は約14年間放送され、最高視聴率40%を記録した刑事ドラマの金字塔的作品だ。石原さん演じる七曲署捜査1課1係の藤堂俊介係長、通称「ボス」を中心とした刑事たちの活躍を描いた。個性的な刑事たちはニックネームで呼び合う。若手俳優を多く起用し、萩原健一さん演じる「マカロニ」、松田優作さん演じる「ジーパン」など人気キャラクターを生み出した。また、若手俳優の登竜門的作品でもあり、第1話には水谷豊が犯人役で出演した。ストーリーが進むにつれ、刑事たちの「殉職」シーンが目玉となった。ジーパンが撃たれ「なんじゃこりゃあ!」と叫ぶシーンなど、日本ドラマ史に残る名シーンを数多く生み出した。

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