NHK朝ドラ「おむすび」 大島美優が一人二役になった理由

[ 2025年3月17日 08:15 ]

連続テレビ小説「おむすび」の田原詩(大島美優)(C)NHK

 【牧 元一の孤人焦点】3月17日放送のNHK連続テレビ小説「おむすび」第116回で、俳優の大島美優(15)が演じる少女・田原詩が登場した。

 大島は主人公・米田結(橋本環奈)の姉・歩(仲里依紗)の親友・渡辺真紀を演じていた。真紀は物語の中で、阪神淡路大震災で亡くなり、歩と結の心に深い傷を残した。

 制作側によると、大島が撮影で真紀を演じていた頃、田原詩というキャラクターの登場は想定していなかった。しかし、その後、歩と結の過去に決着をつけるようなエピソードを模索する中で、脚本の根本ノンジさんが真紀に似ている詩のことを書いた。それを受け、真紀役の撮影を既に終えていた大島に出演を依頼したという。

 朝ドラ初出演の大島は2018年の「ちゃおガール2018☆オーディション」準グランプリ。19年に俳優デビューし、22年のTBS系日曜劇場「マイファミリー」で主人公の娘役を演じて注目された。

 制作統括の真鍋斎さんは「真紀役はオーディションで決めました。当初、真紀はおしゃれでかっこいい人物と考えていましたが、大島さんが持つ、見た目だけではない、愛嬌や素朴さ、純粋さが真紀に合っているのではないかと思いました」と振りかえる。

 もう一人の制作統括の宇佐川隆史さんは「大島さんの真紀が印象深かった。大島さんは若いが、しっかりした芝居の技術を持っていて、決して無理がなく、等身大に見える。本当に将来が楽しみな人だと思いました。大島さんが演じる真紀の存在がなければ詩の存在はなかった。全幅の信頼を置いている大島さんに詩を演じてほしいと思いました」と語る。

 詩は身元不明の女性として結が勤務する病院に運ばれる。病室で結と対面し、最初はマスクをつけているが、水を飲むためにマスクを外すと、その顔立ちから結は真紀のことを思い出す。結は帰宅後、歩に「雰囲気は全然違うけれど目とかそっくり」と伝える。

 とはいえ、画面では真紀と詩はやはり別人のように映り、大島の演じ分けが成功しているように見える。

 大島は「演じ分けというか、癖や話し方や声も全然違うので、その区別をつけることが難しかったです。例えば、真紀はそんなに落ち込むシーンはなかったのですが、詩は下を向いているシーンが多いんです。その時に、真っすぐ下を向くというよりは、少し斜めを向くようにしていました。その方が、ひねくれているというか、心を閉ざしている感じが出ると思い意識しました。あと、真紀はちょっと低めで空気量が少ない感じの声で演じていたのですが、逆に詩は少し高めで空気量が多めの声にするようにしています」と明かす。

 大島の一人二役による詩は新たな彩りを作品に加えた。詩の登場は当初の設定になかったことから、その彩りは、制作の途中で偶発的、自然発生的に生まれたものとも言える。

 真鍋さんは「朝ドラや大河など長いドラマを作っていると、そういうことが起きます。作っているうちに、もっと掘り下げたいというものが発生するからです」と話す。

 宇佐川さんは「詩には、今の日本の不安な状況が何かしら反映されていると思います。それを米田家がどう受け入れていくのか、ご覧頂きたい」と語る。

 大島が一人二役で演じる詩は作品の最終盤のキーパーソンになるかもしれない。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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