ワンオクTaka「御上先生」が訴える抜本的改革に共感「日本の芸能界のシステムにずっと違和感があった」
<御上先生>「ONE OK ROCK」Taka×飯田和孝プロデューサースペシャル対談(後編)
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俳優の松坂桃李(36)主演のTBS系日曜劇場「御上先生」(日曜後9・00)が大反響だ。「官僚×教師」が主人公の全く新しい学園ドラマで、ストーリーの魅力もさることながら、第1話でサプライズ発表されたONE OK ROCKの主題歌「Puppets Can’t Control You」も大きな話題を集めた。作品を手掛ける飯田和孝プロデューサーと「ONE OK ROCK」Takaが対談し、作品への印象や楽曲に込めた自身の思いを明かした。
物語は、子供が生きる「学校」、大人がもがく「省庁」を中心に展開。未来を夢見る子供たちが汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実…そんな現実に1人の官僚教師と、令和の高校生たちが共に立ち向かう、教育のあるべき真の姿を描く大逆転教育再生ストーリーだ。
【日本人アーティストとしての誇りと挑戦――Takaが海外進出にかける思いとONE OK ROCKの使命】
飯田:前編で、第1話の放送で僕がエンターテインメントの力が届いたと感じた瞬間の話をしましたが、Takaさんが自分たちの楽曲に込めた思いが伝わっていると感じるのはどんなときですか?
Taka:やっぱり、聴いてくれる皆さんとのコミュニケーションを通してですね。ライブ中、たくさんの観客がいる中で、ファンの皆さんが直接僕に言葉をかけることは難しいですが、僕が感情的になっているときに話す言葉にはエネルギーが宿っていると思うんです。そのエネルギーを曲とともに届けたい。もちろんテレビや音楽番組を通じて伝える方法もあるかもしれないけれど、それでは自分たちの本当に伝えたいことが届かないような気がするんです。
飯田:Takaさんにとって、ライブはエンターテインメントの1つでしょうか?
Taka:そうですね。でもそれだけじゃなくて、僕の日々の考えや哲学、これまでの努力の軌跡、そして今何を思っているのかを伝える場でもある。毎回同じライブではないので、その場所でその瞬間自分たちが考えていることを伝える、ある意味、株主総会みたいなものかもしれませんね。
飯田:単純な興味で、どちらが良いという話ではありませんが、日本と海外のオーディエンスの違いを感じることはありますか?
Taka:かなり違います。文化や価値観によって、ライブの楽しみ方もまったく変わってくる。例えば、日本のライブで起こる“サイレントの瞬間”。あれは日本特有の現象で、海外ではどこの国に行ってもあり得ないです。曲を純粋に聴こうとするリスペクトの表れですが、海外のオーディエンスがそれを目の当たりにすると、驚きを通り越して引くくらいの衝撃を受けるみたいです。でも最近面白いのが、海外ツアーを重ねるうちに、僕らが日本人であることを意識してくれる海外のファンが増えてきたこと。以前はバラードの最中でも歓声が鳴り止まなかったのに、最近は僕が歌うのを止めて静かにスッと立つと、ファン同士で「シーッ!」と言い合う場面が出てきたんです。それを見たとき、これこそカルチャーの伝達だなと感じました。僕らが日本人であることを認識してもらえた瞬間でもあったし、やり続けることで初めて生まれる変化があるのだと実感しましたね。
飯田:近年、海外進出をされるアーティストや俳優の方々がいらっしゃいますが、お話を聞いていると、Takaさんは日本人アーティストであることを大切にされているように感じます。
Taka:もう、それしかないですね。僕らはメンバー全員、日本人として発信したいメッセージがあります。正直、僕らのようなバンドが日本でやっていると難しいことがあるのは事実。僕らも飯田さんと一緒で、僕らは海外に出ることでそんな日本を変えたいという強い思いがあるんです。僕が生まれたときから変わらない、日本の芸能界のシステムにはずっと違和感があった。次の世代のために良くしていこうと、日本国内でいくら声を上げてもなかなか形にはならない。だったら海外に出て、誰にも文句を言わせない状態を作る。それが大きな一歩につながるし、同時に日本の文化を海外の人に知ってもらうきっかけにもなる。音楽やエンターテインメントは、海外に出ることで政治を超えられる数少ない手段だと思っています。僕らはアーティストだからこそ言えることがあるし、発信する意味がある。だからこそ、今のバンドのスタイルとしても、そこを大事にしています。
飯田:本当にその通りですね。ただ憧れているだけじゃダメで。自分たちも志を持って、テレビドラマというフィールドでやっていかなきゃいけないんだと、改めて自分の中で再確認できました。
Taka:実は僕、家にテレビがなくて、もう10年以上見ていないんです。だから当然ドラマもほとんど見る機会がなくて、たまにNetflixで見るくらい。でも、今回この作品を見て、久々に「テレビドラマにハマる感覚」を味わっています。というのも、やっぱりめちゃくちゃ攻めてるじゃないですか(笑)。僕みたいな人間からすると、こういう作品がテレビで放送されていること自体に価値があると思うし、セリフの1つひとつが痛快なんです。今の時代にすごくフィットしているし、それを配信ではなく、あえて民放でやるというアーティスティックな挑戦にも圧倒されました。マネージャーとも「これ、ヤバいね」ってずっと話しています(笑)。今回こうしてお誘いいただけたこと、改めてうれしい限りです。
【「大切なのは抜本的な改革」――Takaが考える、日本の音楽シーンの“DETOX”】
飯田:Takaさんとお話ししていると、その根底に「他者へのリスペクト」が強くあると感じます。VaundyやAwichと行った世代をまたぐ対バンライブや、Official髭男dism・藤原聡さんとのフィーチャリング、今回の主題歌はpaleduskのDAIDAIさんが参加していたりなど、年下のアーティストとの関わりも印象的ですが、音楽性・技術・人間性といった面で、どのようなことを意識されていますか?
Taka:それで言うと、「御上先生」と同じかもしれませんね。僕自身、昔は自分が怖かったし、つらかった。だからこそ、僕の経験に過ぎませんが、歳下の子たちもきっと似たような感情を抱えているんじゃないかと思うんです。今どき中学校の部活で先輩が後輩をいじめるような上下関係の価値観って、もう時代遅れ。むしろ、上に立つ人間こそ、誰よりも優しく、そして誰よりも厳しくあるべきだと思っています。ただの偽善やポーズではなく、本気で相手と向き合うことが大事。年齢やキャリアに関係なく、全身全霊で人と向き合う。それは常に意識していますね。
飯田:世界で活躍される中で、若い世代に思いを継いでいくような意識があると感じます。自分たちが活躍することだけでなく、次の世代を見据えているというか。年齢やカテゴリーを飛び越えて、日本の社会やクリエイティブの世界において、まだうまくデトックスしきれていない部分を、Takaさんは意識的に循環させようとしているのかなと。
Taka:このドラマでもまさに描かれていますが、大切なのは“抜本的な改革”ですよね。そういう部分にも強く共感しています。今あるものを少しずつ良くしていくのには限界があって、根本から変えなければならない。時間はかかるし、大変な道のりですが、それこそが本当に必要なことだと思っています。
飯田:素敵なお話に本当に胸を打たれました。最後にぜひ、視聴者の皆さんにメッセージをいただけますでしょうか。
Taka:ドラマが本当に素晴らしくて、僕らはただ主題歌として参加できるだけでも光栄に思っています。今の世界を見渡したとき、本当にいろいろと考えなければならないタイミングにあると感じます。エンターテインメントの世界でも、本気で向き合い、命懸けで作品を作っている人たちがいる。それはテレビの世界でも、バンドの世界でも同じで、そうした人たちが手を取り合いながら、少しでも世の中を良い方向に進められたらいいなと願っています。僕が言うのもおこがましいですが、ただドラマを“見る”だけではなく、現実の世界と、自分と重ね合わせながら、自分ごととして見ていただけたらうれしいです。
音楽もドラマも、そこに込められた本気の思いが、人の心を動かし、社会に変化をもたらす力を持っている。ONE OK ROCKの楽曲が世界を舞台に響き渡るように、「御上先生」もまた、現代に問いを投げかける。未来を変えるヒントは、きっとこの物語の中にあるだろう。
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