紅白視聴率 羽生さんで“トリプルアクセル” 3回+α登場 前半伸び悩みも…「企画枠」で顕著に上昇

[ 2023年1月5日 05:16 ]

紅白歌合戦でゲスト審査員を務めた羽生結弦さん
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 昨年大みそかの「第73回NHK紅白歌合戦」(後7・20~同11・45)の歌手別最高視聴率が4日、判明した。瞬間最高の世帯視聴率(関東地区、ビデオリサーチ調べ)は、初の大トリを務めた福山雅治(53)が「桜坂」を歌っていた午後11時39分の39・5%。前回に続き2年連続で瞬間最高は40%台を割った。

 平均視聴率は過去ワースト2位の35・3%。全体を通じて視聴者を積み上げることができず、上昇カーブを作りきれなかった。NHK関係者は「せっかく視聴率が伸びた所でもその流れを維持できず、結果としてなだらかなグラフになった」と話した。

 午後7時20分の番組開始時は26・3%で、前回より約3ポイントダウン。そこから前半の間に、初出場組を過去20回で最多タイとなる8組投入。スタートダッシュを狙ったが伸び悩んだ。関係者は「コロナ規制が緩和されて大みそかに外出した若者も多かったようで、結果的にテレビを見ていなかったのではないか」と分析した。
 早い時間帯にファミリー層を取り込むこともできなかった。例年は子供人気の高いディズニー企画を前半に展開するが、今回は後半だった。家族でテレビを見ていた視聴者はフジテレビ「逃走中」やTBS「THE鬼タイジ」などに流れた。

 それを裏付けるのが午後8時49分の数字。坂本冬美(55)の「お祭りマンボ」から、大河ドラマの企画に移行するタイミングで前半最高の35・2%をマーク。裏番組の「逃走中」などがCMに入ったタイミングで、視聴者が流入してきたとみられる。続いて小栗旬(40)と松本潤(39)がステージに登場。大河ドラマ主役のそろい踏みで数字を維持した。

 後半に突入すると、ディズニーメドレーで数字が跳ね上がった。7分間で2・2ポイント視聴率を底上げ。家族で楽しめる企画が功を奏した。

  今回、大きかったのは審査員の羽生結弦さん(28)の存在だ。審査員紹介、北京五輪のNHKテーマ曲を手がけたmiletの曲紹介、「THE LAST ROCKSTARS」の歌唱前と、画面に姿が映るたびに視聴率が跳ね上がった。「back number」の歌唱後にもコメントを求められた。

 終わってみれば視聴者を引きつけたのは、大河ドラマ、ディズニー、羽生さん。いずれも広い世代に知名度があり、愛される存在だった。出場歌手を含め“国民的コンテンツ”をいかに集められるか。視聴率を上向かせる鍵となりそうだ。

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