白木みのるさん 2年前に死去していた 「てなもんや三度笠」で藤田まことさん相棒役

[ 2022年11月12日 03:00 ]

白木みのるさん(2006年撮影)
Photo By スポニチ

 「てなもんや三度笠」「スチャラカ社員」などで知られるテレビ創成期の人気タレント、白木みのる(しらき・みのる、本名柏木彰=かしわぎ・あきら)さんが2年前に亡くなっていたことが11日、分かった。島根県出身。死因は明らかにしていない。兵庫県芦屋市内に住む親族が本紙に「取材は一切お断りしていますが、亡くなったのは事実です」と認めた。

 1メートル40の小さな体から繰り出すハイトーンボイスでお茶の間をにぎわした個性派だった。15年ごろから体調を崩すことが多くなり、17年秋ごろから老人ホームに入り、静かな晩年を過ごしていた。14年に公開された映画「テルマエ・ロマエ2」で謎のラーメン店店主として出演。すっとぼけた調子で笑いを誘ったのが公に見せた最後の姿になった。

 幼少期は騎手を夢見ていたが中学生で歌手を目指した。山陰地方を流しのミュージシャンらと回っていたところ関西の劇場にスカウト。「ミサイル小僧」を名乗って舞台に立ち、吉本興業入りした後に本名の「柏木」から「白木」に改名した。

 61年に始まった朝日放送「スチャラカ社員」の給仕役で注目され、翌62年に「てなもんや三度笠」で藤田まことさん演じる「あんかけの時次郎」の相棒・珍念役に抜てき。その人気はすさまじく、関西地区では最高視聴率67・5%(ビデオリサーチ調べ)を記録した。タレントの西川きよし(76)が付き人を務めていたこともある。

 01年にはMr.ChildrenのCM、03年にはNHK朝の連続テレビ小説「てるてる家族」にも出演した。07年10月に開催された「御堂筋パレード」には藤田さんとそろって「てなもんや三度笠」号に乗って登場した。「“てなもんや”と言えば藤田」という風潮が面白くなく、藤田さんとは疎遠になっていたが、この時に和解を果たしている。

 タレント活動のかたわら「芸能界はいつまでできるか分からん」と早くから実業家の顔を持ち、不動産事業で成功。芦屋市内にマンションを1棟所有し、95年の阪神大震災時には自宅が全壊した女子学生に無償提供するなどして話題となった。


 ≪テレビ創成期を支える≫
 白木 みのる(しらき・みのる、本名・柏木彰=かしわぎ・あきら)1934年(昭9)5月6日生まれ、島根県八束村(現・松江市)出身。中学時代から歌手活動を始め、大阪の劇場にスカウトされテレビ創成期を支えた。生涯独身。

続きを表示

この記事のフォト

2022年11月12日のニュース