「弱虫ペダル」通じて交流 作者・渡辺航さん プロ転向の羽生結弦さんにエール

[ 2022年9月22日 13:10 ]

羽生さんと「弱虫ペダル」がコラボした2019年のツール・ド・東北のビジュアル
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 フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌で冬季五輪を連覇し、プロ転向した羽生結弦さん(27)に、自転車ロードレースに懸ける高校生を描いた人気漫画「弱虫ペダル」の作者・渡辺航さんがスポニチアネックスを通じてエールを送った。「新しい道を進むことを素直に応援したい。プロ転向でまたチャレンジの舞台が広がり、これまでよりさらに多くの人に感動を与えることができる。非常に良いステップアップだと思っています」と羽生さんの決断を応援している。

 実際に会ったことはないが、手紙や色紙のやりとりなど文字やイラストを通じて交流を重ねてきたという2人。始まりは、東日本大震災で被災した宮城県の沿岸部などを自転車で走るイベント「ツール・ド・東北」の2019年大会。キャンペーンのイラストで、羽生さんと「弱虫ペダル」のキャラクターがコラボし、主人公・小野田坂道とロードバイクで“ランデブー走行”するなどして注目を集めた。

 渡辺さんによると、コラボ後に羽生さんから直筆の手紙をもらったという。内容は明かせないとした上で「とても丁寧で温かみを感じる文章でした。手書きでしたので、思いが一層伝わってきて、アツくうれしい手紙でした」と振り返る。

 羽生さんは試合前に「弱虫ペダル」アニメ版の主題歌を口ずさむ姿が話題になったこともあり、渡辺さんとのやり取りでも漫画版のファンとうかがえるやりとりがあったという。「コミックスも読んでいただいているようでうれしかったです。細かい内容は秘密ですが、御堂筋(翔)くんの姿勢が好きと言っていただきました」と明かした。

 御堂筋は、憎らしいほどの強さと傲岸不遜な言動で主人公の前に立ちはだかるライバル。勝利のためなら狡猾(こうかつ)に、嘘やラフプレーも辞さない姿勢は羽生さんとは真逆にみえるが、「御堂筋のストイックさは、全てを使ってスケートに向き合う羽生さんに通じるものがあると思った」と渡辺さん。ちなみに、自転車には異常なまでの前傾姿勢で乗り、頭が前輪より前に出るほどだ。

 リンク上での羽生さんの印象を「とにかく凄い集中力。画面でも伝わってきます。全身から出るオーラみたいなものを感じていました。瞬間瞬間を大切にしている」と感じていたという。とりわけ演技前の表情を「そぎ落とすような鋭さと危うさが混在していて、それって一番いい状態なんだと思います。慎重で覚悟があって、それを一瞬に凝縮して表現をするさまはアスリートでありアーティストなんだと思ってみていました」と表現した。

 今後の羽生さんに「プロ転向で新しい挑戦と演技を楽しみにしています」と期待するとともに「実際にお会いする機会もあるかもしれません。その瞬間をワタシも楽しみにしています」と“リアル”対面も心待ちにしている。

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