やり投げ世界陸上銅の北口 高校から競技始めてわずか1年で才能開花 チェコへ単身武者修行で飛躍

[ 2022年8月13日 10:00 ]

13日放送のTBS「バース・デイ」では、7月に行われた世界陸上・オレゴン大会でやり投げ銅メダルを獲得した北口に密着する(C)TBS
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 陸上・世界選手権(米オレゴン州ユージン)の女子やり投げで日本初の表彰台となる銅メダルを獲得した北口榛花(24=JAL)が13日放送のTBS「バース・デイ」(土曜後5・00)に出演する。高校時代から7年に渡り取材した過去の映像とともに、強さの秘密とメダル獲得までの軌跡に迫る。

 7月に行われた世界陸上のオレゴン大会で日本人初となる銅メダルを獲得し、円盤投げや砲丸投げといった投擲種目を通しても、日本の女子として史上初の快挙を成し遂げた北口。日本陸上界の歴史を塗り替えたが、実は高校生になるまで、やり投げどころか陸上競技とは無縁だった。

 3歳で水泳を始め、地元のスイミングクラブに通いながら小学1年生からはバドミントンの選手としても活躍。小学6年生の時に対戦した相手は、現在バドミントン界をリードする山口茜。長身を活かしたスマッシュを武器に互角の戦いを見せていた。この年、全国大会の団体戦で優勝も経験。さらに中学生になると、水泳でも全国大会に出場するなど頭角を表した。

 高校までやり投げはおろか、陸上とも無縁だった北口だが、顧問の先生から誘われたことがキッカケでやり投げの道へ。練習を始めて1カ月ほどで才能が開花。競技歴わずか1年で高校生のタイトルを総なめ。さらに15年の高校3年生の時に世界ユース選手権に出場し優勝し、ユース世代のトップ選手となった。

 その後、世界で戦える選手を目指して投擲種目の名門・日本大学に入学。そしてやり投げの強豪国・チェコへの単身武者修行。指導を仰いだのはチェコのジュニア代表コーチを務めるデイビッド・シェケラック氏。シェケラック氏が北口に徹底させたのは“やりを投げないトレーニング”だった。「やり投げで最も大切なのは基礎体力。特に重要なのが助走。やり投げは腕の振りだけではなく、60%が助走で決まる」という。

 1日の練習時間はおよそ2時間で短い時間で集中してトレーニングを行い、やりを投げるのは週に1回だった。このトレーニング方法が北口の成長を加速させ、リオ五輪銀メダルに相当する66メートルまで記録は伸びた。シェケラック氏は「彼女に70メートルを投げさせることが私の目標」と語る。北口は世界陸上で銅メダルを獲得した際には「違う文化を理解してくれたコーチを含め1つのチームで獲った結果。ここがまだ私のゴールじゃなくて、これから金メダルを目標に頑張りたい」と先を見据えている。

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